沖縄県石垣市

絶景が望める恋する灯台「平久保埼灯台」

2022.12.17

日本各地のナビゲーターが、その土地に暮らす人たち(ふるさとLOVERS)からお聞きした「100年先に残したいもの」をご紹介するコーナー。今回は、ふるさとLOVERS公式Instagram「旅写真コンテスト」にご応募くださったlanA(@lanalana017)さんの100年先に残したいもの、沖縄県石垣島の最北端「平久保埼(ひらくぼさき)灯台」をご紹介します。

誰かに教えたい旅写真コンテストとは?

誰かに教えたい旅写真コンテストの詳細はこちら
誰かに教えたい旅写真コンテストの詳細はこちら

「大切な人に教えたい」「100年先にまで残したい」。地元や旅先で見つけたとっておきの写真を、Instagram・Twitterでハッシュタグ「#ふるさとLOVERS」をつけて投稿してみませんか。「ふるさとLOVERS」では、「誰かに教えたい旅写真コンテスト」を主宰しています。投稿写真の中から選考の上、「ふるさとLOVERS賞」受賞者には賞品をプレゼント!ぜひご応募ください。

見渡す限りの青い海が堪能できる「平久保埼灯台」

石垣島、西表島、与那国島などの島々からなる八重山諸島の玄関口である石垣島。沖縄本島までの距離は約411キロメートルなのに対し、台湾までの距離は約277キロメートルという場所に位置しています。石垣市は日本最南端の自然文化都市と言われ、手付かずの大自然が感じられるスポットが点在しています。

そんな石垣島で、2013(平成25)年開港した新石垣空港から車を走らせること約40分。島の最北端に位置するのが「平久保埼(ひらくぼさき)灯台」です。右側には太平洋、左側には東シナ海と、見渡す限りの水平線が続く絶景スポットです。

lanA(@lanalana017)さんの投稿
lanA(@lanalana017)さんの投稿

平久保埼灯台を「100年先に残したい」と、ふるさとLOVERS公式Instagram「旅写真コンテスト」に応募してくれたのはlanA(@lanalana017)さん。「この海の色と空気を変わらずにいつまでも残したい」とこの景色の魅力を伝えます。

そんな平久保埼灯台の魅力を、ふるさとLOVERS地域ナビゲーター松本がレポートします。

細い農道を進んだ先に現れる人気スポット

縦に長い石垣島。コンビニもない道を北に向かってひたすら車を走らせると、「平久保埼灯台」の看板が現れます。自然豊かで細い農道を慎重に進んでいくと、たどり着くことができました。早朝だったにも関わらず、それぞれに景色を楽しむ人の姿があり、10台弱が停められる駐車場はほとんど埋まっていました。

車を停めて、灯台入口への道を進んでいきます。

一番奥まで進んでいくと、青い海の中にそびえ立つ真っ白な灯台。浅瀬から沖に向かって、水彩絵の具を混ぜたようにさまざまな青が楽しめる透明度の高い海と、白い灯台のコントラストが美しい。右側に見えるのは「大地離島(だいちばなりじま)」という無人島です。

灯台に向かって右側には、「平久保崎(埼)灯台 石垣島最北端」の立て看板が。1965(昭和40)年に初点灯してから船の安全のため海を照らし続け、絶景で人々を魅了してきた歴史を感じさせます。

灯台へ降りられる階段は残念ながら閉鎖されていました。草が生い茂っており、長い間人が立ち入っていないことが見てとれます。こちらは海上保安庁が管理しており、海上保安庁主催のイベントがあるときには一般開放されることもあるのだそう。

水平線に雲がなく、すっきりした天気の日には肉眼でも右奥にうっすらと多良間島を望むことができます。この日は少し雲が多かったものの、見渡す限りに続く水平線は息を呑むほどの美しさでした。

おすすめは日が高い時間帯。満潮と干潮の間ほどの潮位になるタイミングなら、より美しい海の色が楽しめます。時間帯や日の向きによって変化し続ける海の色は、見ていて飽きることがありません。夕方になると訪れる観光客が少なくなるので、ゆっくりと過ごしたいという方におすすめ。灯台に向かって左手に沈んでいく夕日を眺めることができますよ。

2016年には「恋する灯台」に認定

晴れの日も嵐の日も、いつも変わらず大海原を照らし続ける灯台の光は、人生の道標のようにも感じられます。日本ロマンチスト教会は、灯台を「ふたりの未来を見つめる場所」として定義し、悩んだり迷ったとき、未来を誓い合うときに訪れるのにふさわしい灯台を”恋する灯台”として認定する「恋する灯台プロジェクト」を実施しています。

恋する灯台として認定されるための審査基準は、場所、歴史、道のり、ロマンティック、景観、形などがあり、認定された灯台は全国に約50箇所。平久保埼灯台は2016(平成28)年に沖縄県内ではじめて認定されました。

視界に広がるエメラルドグリーンの海や、紺碧の空の中で白い灯台が輝く壮大な景色、灯台に向かうまでののどかな道のりなどが評価されたのだそう。その後、2019(平成31)年には県内で2箇所目の恋する灯台として残波岬灯台が認定されています。訪れる夫婦やカップルがこぞって記念撮影していくスポットです。

青のグラデーションに囲まれて心をリセットできる場所

澄みわたった空気、360度広がる壮大な景色、様々な青のグラデーションを見せてくれる大きな海と広い空、そして凛としてそびえ立つ真っ白な灯台。平久保埼灯台は石垣島の大自然を全身で感じられるスポットです。

沖縄が本土に復帰する前、1965(昭和40)年からここで海を照らし続ける平久保埼灯台の存在は歴史を感じさせるだけでなく、悩んだり迷ったりしたときに道標となり勇気をくれる「変わらないもの」としてとても意味のある場所だと感じました。心を静めてくれるこの壮大な景色は、いつまでも変わらずにいてほしいです。

施設情報はこちら

スポット名 平久保埼灯台


住所 沖縄県石垣市平久保


TEL 0980-82-1535


※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

地域ナビゲーター

松本 佳恵

沖縄支部 ライター・フォトグラファー
松本 佳恵

北海道旭川市出身、沖縄県在住。函館で大学を卒業したのち上京し、航空会社のシステムエンジニアに。大都会に揉まれること約8年、違う世界が見たくなり、飼い猫2匹とともに沖縄に移住して転職。ライターもできるフォトグラファーとして活動中。沖縄の美味しいもの、美しいものを撮影するのが大好きです。