鳥取県鳥取市

山陰を結ぶ、紺碧の観光列車「あめつち」

2022.07.05

日本各地のナビゲーターが、その土地に暮らす人たち(ふるさとLOVERS)からお聞きした「100年先に残したいもの」をご紹介するコーナー。今回は、ふるさとLOVERS公式Instagram「旅写真コンテスト」にご応募くださったマリンさん(@star09171128)の100年先に残したいもの、山陰地方随一の観光列車「あめつち」をご紹介します。

誰かに教えたい旅写真コンテストとは?

誰かに教えたい旅写真コンテストの詳細はこちら
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「大切な人に教えたい」「100年先にまで残したい」。地元や旅先で見つけたとっておきの写真を、Instagram・Twitterでハッシュタグ「#ふるさとLOVERS」をつけて投稿してみませんか。「ふるさとLOVERS」では、「誰かに教えたい旅写真コンテスト」を主宰しています。投稿写真の中から選考の上、「ふるさとLOVERS賞」受賞者には賞品をプレゼント!ぜひご応募ください。

山陰が誇る、青く輝く観光列車「あめつち」

写真提供/西日本旅客鉄道株式会社
写真提供/西日本旅客鉄道株式会社

天地創造の故事や神話が数多く残る島根・鳥取の山陰両県に、紺碧(こんぺき)色に輝く、二両編成の観光列車があることをご存知でしょうか?山陰には豊かな自然はもちろんのこと、神社、お酒、歌舞伎、相撲など、日本文化のさまざまなルーツがあるとされています。また、国造りにはじまる多くの日本神話が誕生した地でもあります。

この自然や日本のルーツを、「ネイティブ・ジャパニーズ」というコンセプトで車両にデザインし、山陰ならではの「古くて新しい日本」を発見してほしいという想いを紡いでいるのが観光列車「あめつち」です。あめつちは出雲市駅と鳥取駅を結んで走るJR山陰本線の観光列車として、山陰の自然や伝統を、島根・鳥取両県にちなんだ地産品がふんだんにあしらわれているその車体で表現しています。

マリンさん(@star09171128)の投稿
マリンさん(@star09171128)の投稿

観光列車あめつちを「100年先に残したい」と、ふるさとLOVERS公式Instagram「旅写真コンテスト」に応募してくれたのはマリンさん(@star09171128)。「地元を感じる旅を楽しむことができ、なおかつ青色でかっこいいデザインの観光列車を100年先にも残したい」と話します。

そんなあめつちについて、ふるさとLOVERS地域ナビゲーター森本が取材!乗車した人たちをトリコにするその魅力をたっぷりとお伝えします。

非日常にいざなわれて、いざ山陰を結ぶ旅へ

写真提供/西日本旅客鉄道株式会社
写真提供/西日本旅客鉄道株式会社

あめつちには、鳥取駅もしくは出雲市駅から乗車できます。ホームに佇み列車の到着を今か今かとそわそわしながら待っていると、青々とした車体が登場!太陽を浴びた車体はキラリと反射し、艶のある輝きがその神々しさを際立たせます。

特徴的な車体側面の「銀色」の帯模様は、スタジオジブリ作品を数多く手掛けてきたアニメーション美術監督・吉田昇氏のデザイン。帯模様が山陰の美しい山並みと、島根県奥出雲でのみ現存する日本古来の鉄づくり技法「たたら製鉄」にちなんだ日本刀の刃文(はもん)を表現しています。

写真提供/西日本旅客鉄道株式会社
写真提供/西日本旅客鉄道株式会社

さっそく乗り込んでみると、外観とは打って変わって白木の雰囲気を醸す木目調の装飾が施されています。天井の照明部分には、鳥取県の工芸品である因州和紙が彩りを添え、これからの旅路をワクワクさせるような明るさに包まれています。

車内に展示してある山陰両県の工芸品を鑑賞するのも旅の一興。窯元の器の手洗鉢や神楽をモチーフとした装飾など、1号車と2号車の違いを楽しみながら車内を散策するのもおすすめです。席数にもゆとりをもたせているため座面が広く、ゆったりくつろぐことができます。また、座席はすべて大きな車窓に面して配置され、雄大な日本海や山脈が連なる様を眺めながら特別な時間を過ごすことができるのも、観光列車の醍醐味ですね。

車窓から眺める、四季折々の美しい山陰の景色たち

写真提供/西日本旅客鉄道株式会社
写真提供/西日本旅客鉄道株式会社

あめつちの車窓からは四季折々でさまざまな景色を楽しむことができます。例えば、夏前の鳥取・大山口駅付近で見られる、真っ青の日本海をバックに一面に広がる緑の田んぼと真っ白な風車が遠くまで続くコントラスト。日本海まで遮る建物がないため、ハッとするような美しい情景に出会うことができます。また、伯耆富士(ほうきふじ)とも呼称される、中国地方最高峰の大山(だいせん)が白銀の雪化粧を纏う冬の姿もおすすめです。

美しい景色を見落とすことのないように、絶景スポットでは車内アナウンスが流れ、徐行運転に切り替わります。日本海の荒波や大山など、山陰各地の豊かな自然をたっぷり堪能しましょう。

写真提供/西日本旅客鉄道株式会社
写真提供/西日本旅客鉄道株式会社

そして、あめつちにはテーマソングがあるんです!出発進行のタイミングや、絶景スポットに差し掛かったときには島根出身のシンガーソングライター・浜田真理子さんの軽快な曲が車内に流れます。雄大な日本海の景色とともに楽しむ、心弾む軽やかなメロディは、車内でのひとときを素敵に演出します。

五感で楽しむ、山陰の食

写真提供/西日本旅客鉄道株式会社
写真提供/西日本旅客鉄道株式会社

あめつちの2号車にあるカウンターでは、島根・鳥取両県にちなんだおみやげやグルメを購入することができます。事前予約限定の特別メニューとして、山陰の旬の食材をふんだんに使用したお弁当や、スイーツセットも用意されています。

出雲市発の車内では、小京都とも称される松江市にある老舗和菓子屋・御菓子司 彩雲堂(さいうんどう)の和菓子詰め合わせをいただくことも。あめつちをご紹介いただいたマリンさんも、この和菓子を食べたという思い出を投稿に綴っていました。松江名物の「若草」や神話をもとに創作した車内限定の和菓子を、老舗茶舗の煎茶とともにぜひ味わってみてください。

写真提供/西日本旅客鉄道株式会社
写真提供/西日本旅客鉄道株式会社

また、車内販売ではあめつち限定グッズはもちろん、地元で人気のお土産や地酒、おつまみなどが山陰両県をまたぐ列車ならではのラインナップで揃っています。販売している商品のほとんどが山陰両県の物で、あめつち車内でしか買えないオリジナルグッズとして焼き印が入ったどらやきや限定パッケージの焼き菓子セット、オリジナルラベルの地酒「花かんざし」が人気です。(和菓子セットや一部の飲食メニューは要事前予約)

クリスマスなどの季節イベントに応じて、カウンターが装飾に彩られるのも見どころ。乗車時には、ぜひ物販カウンターにも立ち寄ってみてくださいね。

たまにはゆったり列車に乗って、素敵な山陰の旅を

写真提供/西日本旅客鉄道株式会社
写真提供/西日本旅客鉄道株式会社

春は桜並木や菜の花畑が広がる様が見頃、夏は晴れることが多いので大山や日本海、ヤマタノオロチ伝説が残る斐伊川(ひいかわ)などがより一層映えます。秋は稲穂の絨毯(じゅうたん)や紅葉に色づく大山が目を引きますし、冬は鳥取の水尻池前を通過する際、ちょうど夕日が水面に反射し、眩しいぐらいにキラキラと光る様子が見どころです。季節毎に絶景ポイントが変わっていくので、いつ訪れてもそのときどきの自然美を楽しむことができますよ。鳥取〜出雲市間を約3時間半かけて移動するため、移りゆく車窓からの景色をゆったり眺める至福のひとときをお過ごしください。

山陰地方に足を運んで、「あめつち」に乗車してみたら…きっと普段とは違う景色があなたをお待ちしています。自然美を満喫する旅をぜひ五感で楽しんでくださいね。

施設情報はこちら

施設名   観光列車あめつち

運行区間  鳥取駅〜出雲市駅間を1日1往復

運行日   土・日を中心に、一部の月曜日に運行
      ※詳細は公式サイトの運転カレンダーを参照ください


運賃    乗車駅により運賃が異なります
      乗車券の他に普通列車の指定席グリーン券が必要です(全席指定席)
      ※乗車日の1カ月前の10:00から、全国のJRの主な駅のみどりの窓口
       主な旅行会社でお買い求めいただけます。

公式サイト https://www.jr-odekake.net/railroad/kankoutrain/area_tottori/ametuchi/

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

地域ナビゲーター

森本めい

中国支部 地域ナビゲーター
森本めい

兵庫県神戸市生まれ、現在は鳥取県琴浦町に在住。地方創生をビジョンに掲げるIT企業の人事部長に勤しみながら、複業でローカルWebメディアの編集長や、SNSコンサル、農家業など多足のわらじを履きこなす人生を送っています。現地に赴いて感じた地域の魅力を案内役としてお伝えしていきます!