高知県高知市

高知市を一望できる、世界に名だたる植物園

2020.10.01

この記事では、日本各地のナビゲーターが、その土地に暮らす人たち(ふるさとLOVERS)からお聞きした「100年先に残したいもの」をご紹介します。
今回登場いただくのは、高知市内に事務所を構え、土佐ひのきを使ったアウトドアガレージブランドを展開する「株式会社オプション」です。

アウトドア好きがオススメする高知市内の絶景スポット

自然と人々の暮らしが近い場所にある高知県。高知市中心街からでも、ちょっと足を伸ばせば海、川、山があり気軽にアウトドアを楽しめる土地でもあります。そんな高知市内に事務所を構え、土佐ひのきを使ったアウトドアガレージブランドを展開するのが「株式会社オプション」。元々キャンプが大好きという同社の山本社長と従業員の佐藤さんの2人が「こんなキャンプグッズがあったらいいな」と、高知県産ひのきを使い、ローテーブルやキッチンツールといった約40種類のアイテムを生み出してきました。

自然が大好きな2人が、高知市内で身近に季節を感じられる場所としてオススメするのが、市街地から車で約20分で行ける山「五台山」にある高知県立牧野植物園です。

世界的にも有名な植物園「牧野植物園」

高知が生んだ「日本の植物分類学の父」といわれる牧野富太郎博士をご存知ですか?94年間の人生のすべてを植物の研究と教育普及活動に捧げ、多数の新種を発見し、命名も行った近代植物分類学の権威なのです。そんな牧野博士を顕彰するために、1958(昭和33)年、高知市五台山に建てられたのが牧野植物園。近隣に住む高知県民なら、家族でのお出かけや学校の遠足などで誰もが小さいころから訪れたことのある身近な場所です。

普段何気なく遊びに行く人も多いかもしれませんが、実は研究機関を備えた、日本を代表する総合植物園として世界的にも有名な施設なのです。今回、園を案内してくれたのはスタッフの楠山さん。8haもある広大な園内から、絶対に回ってほしい、とっておきスポットを紹介していただきました!

2019年にオープンしたばかりの広場は絶好のビュースポット

楠山さんと植物園の正面ゲートからスタートして、まず足を運んだのが2019年に整備しオープンしたばかりの新園地「こんこん山広場」。思わず寝っ転がりたくなる広~い芝生に、季節ごとに様々な草花が楽しめる草原まで、植物からこんこんと湧き出るエネルギーを思いっきり感じられる場所です。

そして、この広場へ来たら絶対登ってもらいたいのが、高さ4m程ある展望台。周りをぐるっと見渡せて、高知市の街並みはもちろん、お天気の良い日ははるか太平洋まで一望できるビュースポットなんです。山の風が心地よく抜け、周りの木々がさわさわと楽しそうに揺らぎます。もう何度も登っている楠山さんも、あまりの気持ち良さにしばらく景色を眺めていました。

このビューポイント以外にも、展望デッキや木のベンチなどがあって、気候の良い春や秋はおやつや水筒を持参してのんびり過ごす人も多いんだとか。

1年中熱帯植物が生い茂るジャングルのような碧の温室

そして、もうひとつのとっておきがこちらの温室。エントランスは高さ9mの塔になっていて、原始の森をイメージした内部では、アコウや大型のシダ植物がお出迎えしてくれます。実は私、先ほどのこんこん山広場もこの温室も、何度も訪れたことがあるんですが、温室に入って最初に見上げるこの瞬間は毎回カメラに納めるほどお気に入りの場所でもあります。植物越しに見上げるアニメの世界のような空間になっていて、とってもワクワクするんですよ!

温室の中は色鮮やかな熱帯花木、熱帯果樹などがジャングルのように生い茂っていて、足元から天井までダイナミックな風景が楽しめます。その中でもひときわ目を引くのが、葉の直径が1mを超える世界最大級の水生植物「オオオニバス」。なんと、小さな子どもが葉っぱに乗れるほどの浮力があるそうなんです。すごい浮力のヒミツは葉の裏側にあるので、池を下から見上げることができる「オオオニバスの窓」からぜひ覗いてみてくださいね。

ほかにも、乾燥地帯に生育するサボテン類や珍しいラン科植物、世界最大の竹といわれる「ゾウタケ」など、一つ一つ見ていたらあっという間に時間がたってしまいます。

秋の見所は足元に揺れる草花と旅するチョウ

高知県立牧野植物園はいかがでしたか?今回紹介した広場や温室は園のごく一部。園内には牧野博士の研究や自筆の植物図を見ることができる牧野富太郎記念館展示館などがあり、秋には牧野博士が命名したノジギクなど、たくさんの野菊が見頃を迎えます。
また、10月半ばになると、旅するチョウとして知られるアサギマダラがやってきて、園内にあるサワフジバカマの花の周りを飛び交う様子がたくさん見られるそうです。ちょうどその場所には牧野博士の銅像があり、周りにチョウが集まる様子を見るのが楠山さんの楽しみだと話してくれました。

何度訪れても新しい発見があり、帰るころにはちょっぴり植物の知識も増え、改めて草花を見る楽しみを教えてくれる場所です。高知に来たらカツオとお酒で乾杯!の前に、ぜひ五台山まで足を運んでみてください。植物園で感じた風の香りや眺めた景色が、その夜の宴にきっと花を添えてくれるはずです。

<今回の旅スポット>

高知県立牧野植物園
高知県高知市五台山4200-6
9:00〜17 :00
年末年始休園、メンテナンス休園日あり
088-882-2601

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

地域ナビゲーター

川崎 萌

四国支部 マルチフォトライター
川崎 萌

高知県いの町在住。おいしいものを追いかけ、絶景スポットを巡りながら、地元・いの町を中心に高知県の情報発信のお手伝いをしています。専門的なお話や自分の感じたことを、初めて記事に触れる人に分かりやすく伝えることを大切にして取材をしています。