沖縄県豊見城市

沖縄着陸の瞬間、一番最初に出会えるビーチ

2021.07.01

この記事では、日本各地のナビゲーターが、その土地に暮らす人たち(ふるさとLOVERS)からお聞きした「100年先に残したいもの」をご紹介します。今回スポットをご紹介頂いたのは、オリオンビール株式会社マーケティングコミュニケーション課・平林隆太郎さんです。

県内最大級の人工ビーチ「美らSUNビーチ」

写真は、沖縄県豊見城市にある豊崎海浜公園内の「オリオンECO美らSUN(ちゅらさん)ビーチ(以下:美らSUNビーチ)」。豊見城市の豊崎という地域にあり、観光客はもちろん地元の人々にも長く愛される、県内最大級の人工ビーチ(別の地域から貰ってきた砂を敷き詰めたビーチ)です。

那覇空港から車で約15分という「空港から一番近いビーチ」としてのアクセスの良さがありながら、広いビーチと公園、BBQ広場や豊富なアクティビティなどが充実。1日を通して満喫できるスポットです。

県外から来る人が一番に見るビーチを、保全活動の拠点に

美らSUNビーチを「100年先に残したいスポット」として推薦するのは、オリオンビール株式会社への入社を機に沖縄移住を果たしたという、マーケティングコミュニケーション課・平林隆太郎(ひらばやし・りゅうたろう)さん。

県内外に多くのファンをもつ沖縄の定番「オリオンビール」を製造する同社は「豊崎美らSUNビーチ」を2020年11月1日から3年間「オリオンECO美らSUNビーチ」とする、沖縄県内では初となるビーチ施設へのネーミングライツ(愛称を命名する権利)を取得しています。

写真は平林さんより提供いただいた美らSUNビーチのビーチクリーン写真。同社では以前から海の保全活動を積極的に行っており、美らSUNビーチを活動の拠点にしたいという想いからネーミングライツに至ったのだといいます。

平林さんはビーチの魅力について「県外から来る人が、おそらく飛行機で一番最初に見る海が美らSUNビーチ。海の美しさを知ってもらう重要なスポットだと思っています。今回ネーミングライツ用に、ロゴを沖縄県出身のアーティスト大城清太氏につくってもらいました。ロゴ越しに見る海もとても美しいのでぜひご覧ください」と話してくれました。

海も陸も楽しめる、充実の遊び場

豊崎海浜公園内に2010年に誕生した美らSUNビーチは、全長700メートルの白砂ビーチとして、約350メートルの浜をふたつ備えています。

ふたつの浜は「遊泳ビーチエリア」と「マリンスポーツエリア」の2つに区分されています。遊泳ビーチエリアはライフガードが常時監視しているため、小さな子ども連れの方も安心です。マリンスポーツエリアは、バナナボートやジェットスキーなど、アクティブな遊びを楽しむことができます。

どちらのエリアにもテトラポットや防波堤などが置かれていないため、遠くまで遮るものなく美しい海を一望できるのも魅力です。

ビーチでの遊泳やマリンスポーツはもちろん、敷地内にはビーチバレーやバスケットボール用のコートが設置されています。毎日のように地元の子どもたちがスポーツを楽しむ姿を見られるのも、美らSUNビーチの日常の光景です。

また、沖縄には「ビーチパーティー」という海の近くでBBQを楽しむ文化があり、もちろん美らSUNビーチにもBBQ広場が設置されています。スポットを紹介してくれたオリオンビール株式会社の方も、定期的にこの場所でビーチパーティーを楽しんでいるそうですよ。


ほかにもビーチ全体を通して、高齢者や障がい者のためのバリアフリー整備も整えられており、車椅子に乗ったまま砂浜まで行けるほか、車椅子専用トイレやシャワーも完備。水陸両用車椅子「チェアボート」を使えば、ちょっとした水上散歩も楽しむこともでき、年齢や体質も問わず楽しめるのも美らSUNビーチの魅力です。

気になるアクティビティは県内外から積極的に誘致

今回スポットを案内してくれたのは、豊崎海浜公園および美らSUNビーチの統括責任者所長を務める久田友一郎さん。久田さんは定期的に県内外に視察に行き、いいと思ったものは県内外から誘致しています。

「美らSUNビーチは夏になると午後に海が干潮となってしまいます。そこで遊泳以外にも楽しめる遊びを増やそうと、海上・陸上それぞれで遊べるマリン・ネットアスレチックを誘致しました。どちらも県内最大級だったので、県内の他施設の方から『どうやって誘致したのか』と聞かれることも多々あります」と話す久田さん。アンテナに引っかかったものは困難でも取り入れる、久田さんの行動力と情熱を感じました。

県内初のネットアスレチック

久田さんが誘致したマリン・ネットアスレチックはいずれも県内最大級ですが、中でもネットアスレチック「ちゅらネットパーク」は2020年11月に誘致したばかりの注目アクティビティ。沖縄で唯一のネットアスレチックである上に、最大級を誇る規模は、大人も子どもも全力で遊べること間違いなし!

近くに行くと、その巨大さに改めて驚きます。なんと3階建てほどの高さを誇るそう。実際に体験させていただきました。

まずは入り口より、両側にある網を掴みながらぐいぐいと上っていくところからアスレチックはスタートします。(スニーカーの貸出あり)

上りきると、全体がトランポリンのような空間が広がります。ここで子どもたちが飛んだり跳ねたりと大はしゃぎ!大人も歩くだけで沈み込むので、体幹トレーニングにぴったりです。

一番高いところまで行くと、飛行機を至近距離に見ることもできます。

ゴォォォと音を立てながら飛行する姿を眺めつつ、沖縄のカラッとした空を仰ぐ清々しい時間も心地いいもの。景色も楽しめて運動にもなるため、これだけのために訪れる人もいるのだとか。

遊び疲れたら、あずまやで小休憩

ビーチに面して設置された三角屋根のあずまやは、誰もが自由に使える共有スペース。海水浴やアスレチックで遊び疲れたらこちらで一休みしましょう。海を眺めながら日焼けを凌ぐ人や、あえてあずまやの隣で肌をこんがり焼く人の姿も見かけました。

人々が自由にビーチを満喫する姿を横目に見つつ、久田さんは「テントを張ってちょっとしたキャンプを楽しむ人もいますし、時期によって清明祭(シーミー/祖先を供養するお祭り)をしている人も見かけますよ」と笑顔で話してくれました。

映画「涙そうそう」のロケ地も

ビーチを奥に進むと「兄(に)ィニィの丘」と呼ばれるスポットが現れます。ここでは遊泳ができないため、のんびり海を眺めたい人におすすめです。

映画「涙そうそう」のロケ地として使用された小高い丘からは、白い砂浜と美しい海、遠方の離島を望めるため、展望台として利用する人も多いようです。

夜は海に沈む夕日を満喫

さて、これだけ充実した美らSUNビーチですが、実は夕日スポットとしても有名です。

夕日を見るために18時半ごろに訪れましたが、ちょうどアコークロー(夕暮れ時、昼と夜が交わる幻想的な時間)が始まっており、ビーチでは夕日を見るためにスタンバイしている人をたくさん見かけました。

ちなみに久田さんのおすすめ夕日スポットは、ビーチグッズや軽食を販売するショップの隣にある「鐘」越しに見る夕陽。潮風に揺れる鐘とアコークローに染まるビーチが混ざり合い、神秘的な景色を楽しむことができました。

沖縄では、夕日の時間をめがけて多くの人が海に集まります。この日も多くの人がそれぞれ散歩したり立ち止まったり、しゃがみこんだりして、夕日とともに過ぎゆくひとときを楽しんでいました。

◎シーズンごとの日没は、海上保安庁のPDFをご確認ください。https://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN11/mr/yuhi/churasun.pdf

空が澄んだ日は、帰り道にも期待

沖縄では天気が良い日、ブルーモーメントが見られる時があります。ブルーモーメントとは、辺り一面が青い光に照らされて見える現象で、夜明け前と夕焼けの後のわずかな時間に訪れます。

空気の澄んだ日にだけ現れるそうで、ちょうどこの日、美らSUNビーチからの帰り道が青い光に包まれていました。ぜひ美らSUNビーチを訪れる際は、帰り道の景色まで楽しんでくださいね。

スポット情報

施設名
オリオンECO美らSUNビーチ

住所
沖縄県豊見城市字豊崎5−1

電話番号
098-850-1139

遊泳期間
海開き(4月上旬予定)~10月

入園時間
6:00~22:00

遊泳時間
4~6月・9~10月:9:00~18:00
7~8月 :9:00~19:00

遊泳期間
海開き(4月上旬予定)~10月

利用料金
無料(駐車場は有料)
マリン・ネットアスレチックは大人1500円、子ども1000円、未就学児(5歳まで)500円

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

地域ナビゲーター

三好 優実

沖縄支部 沖縄ライター
三好 優実

沖縄県那覇市在住。香川県で生まれ育ったのち、大阪や東京で仕事中心の生活を満喫していましたが、沖縄旅行で「人」の魅力にはまり、仕事をあっさり手放して移住。1年くらいで別の土地に行こうと思いきや、早6年が経過しました。ライター歴は5年。