神奈川県箱根町『山のホテル』

芦ノ湖畔で心ゆくまで味わうリゾートステイ

2022.10.17

神奈川県箱根町 × 山のホテル

日本には旅の目的地になるホテルや、ふるさとに帰ったような気持ちになれる旅館があります。この記事では、人々の記憶に残る「とっておきの宿」をふるさとLOVERSナビゲーターが訪問し、その魅力をたっぷりとご紹介します。今回訪れたのは、箱根町の芦ノ湖畔で本格的なリゾートステイが楽しめる「山のホテル」です。

バラエティ豊かな魅力で旅人を迎える観光地

古くから交通の要所として発展した神奈川県箱根町。その歴史を伝える江戸時代初期に造られた旧街道の石畳をはじめ、芦ノ湖(あしのこ)や大涌谷(おおわくだに)といったダイナミックな自然や1200年の歴史を持つ湯本温泉など、バラエティに富んだ魅力で旅人を迎え入れてくれる、全国屈指の観光地です。

男爵時代の自然や歴史を受け継ぐ、格調高いホテル

写真提供/山のホテル
写真提供/山のホテル

多彩な表情を持つ箱根町で、標高724mに位置する芦ノ湖は夏でも涼やかな風が吹き渡り、高原リゾートとしても人気の高い避暑地です。おしゃれなカフェや土産店などが軒を連ねる湖畔の道を進んでいくと、芦ノ湖を見下ろすように建物が悠然とたたずんでいます。それが今回の目的地、歴史や自然に彩られた本格的なリゾートホテル「山のホテル」です。

写真提供/山のホテル
写真提供/山のホテル

レマン湖ほとりの古城をイメージして建てられたというホテル。一歩、足を踏み入れた瞬間に感じるのは「品格」です。アンティーク風の調度品、磨き抜かれた床、ダークブラウンと白を貴重としたロビー。そんなホテルが放つクラシカルな格調の高さは、ホテルの誕生に由来しています。
 
というのも、もともとこの場所には三菱財閥4代目社長、岩﨑小彌太(いわさきこやた)男爵の別邸がありました。別邸はその後、火災や大震災などで建て替えられながら、1948年、山のホテルとしてオープン。建物は世代交代したものの、こうした男爵時代からの自然や歴史を受け継ごうというホテルの想いが随所に表れています。

貴重なツツジを維持・再生する庭園

岩﨑男爵が所有していた当時の面影を色濃く残しているのが、ホテル自慢の庭園。副支配人の小山哲史(こやまさとし)さんに案内していただきました。

外に出ると見渡す限りの緑。しかも、こんもりとした半円の樹形が見渡す限り広がっています。実はこれ、全部ツツジ。岩﨑男爵によって収集されたツツジは約84種3000株で、「花弁の色や咲き方など、ほかでは見られない希少品種もあります」と小山さん。ホテルでは、こうした由緒あるツツジの維持・再生を目的に、庭園プロジェクト「男爵の100年ツツジ 100年先への挑戦」と銘打って、専任スタッフが日々、管理に勤しんでいます。毎年5月には、美しく咲き誇るツツジを見ることができます。

写真提供/山のホテル
写真提供/山のホテル

2022年には庭園のツツジが公益社団法人日本植物園協会の制定した「ナショナルコレクション」に認定。ほかではほとんど見られない30種の古品種を含む84種類のツツジが、次世代へ残すべき価値あるコレクションとして認定されました。

伺った時は、ちょうどあじさいが満開。色とりどりのあじさいの小道を進むと、木々の間からは芦ノ湖が一望できました。「ツツジだけでなく、バラやシャクナゲなど、季節ごとの花も楽しめますし、10月後半からは紅葉が見事。冬の雪景色もまた、趣がありますよ」と小山さん。季節の花々や芦ノ湖の景色を愛でながら、のんびりと庭園を歩きます。

全身トリートメントで極上のリラックス時間

お庭の散策後は、極上のリラックス時間が味わえる「スパ・モンターニュ」へ。芦ノ湖が一望できるスロービューエリアで、セラピストの方が今の体や心の状態をチェック。個々の状態に合わせたアロマオイルをチョイスしてくれます。次にフットバスで足を温めて血行を促したら、深呼吸をしながら体の緊張をほぐし、全身のトリートメントへ。

写真提供/山のホテル
写真提供/山のホテル

オイルとハンドで丁寧にトリートメントされていると、心身が溶けていくような解放感に包まれます。さらに、オイルの香りと室内に満ちる“癒し”の空気のおかげで、つい、うとうと。トリートメントが終わった後は、体がほかほかと温まり、全身が軽くなったような爽快な気分に。旅の疲れも一気に解消されました。

客室の温泉から芦ノ湖を一望

写真提供/山のホテル
写真提供/山のホテル

今回滞在した客室「プレミアムフォース」はリゾート気分がたっぷり味わえる上質な空間です。入り口の扉を開けた瞬間、目に飛び込んできたのは、ガラス張りのバスルーム!

写真提供/山のホテル
写真提供/山のホテル

さらに、バスルームの窓から見えるのは、芦ノ湖の絶景です。自家源泉のお湯はアルカリ性単純温泉で、肌がすべすべになる泉質。芦ノ湖の美しい景色を眺めながら、お風呂でゆったり。刻々と変化する湖を眺めながら、贅沢なひと時を心ゆくまで味わいます。

もちろん、広々したお風呂を楽しみたいという人には、自家源泉の露天風呂付き大浴場もあります。

この日泊まったお部屋は「プレミアムフォース」です。家族やグループで楽しめる4人部屋。ソファコーナーも広々しているので、涼やかな芦ノ湖の風を感じながら、おしゃべりに興じるのも素敵な時間です。

五感で味わう本格的なフランス料理に舌鼓

写真提供/山のホテル
写真提供/山のホテル

夕食は、フランス料理と日本料理から選べます。今回は、フランス料理レストラン「ヴェル・ボワ」へ。フランスで腕を磨いたというシェフの創意工夫を凝らした料理に期待が高まります。

写真提供/山のホテル
写真提供/山のホテル

供されたのは、初夏ならではの食材を使った感性豊かな料理の数々。美しいテリーヌはメバチマグロや野菜、生海苔の複雑な味わいが絡み合い、上品な味わい。イサキのポワレはさっぱりとしたソースとの相性も抜群です。新鮮な魚介類や野菜など、旬の食材をふんだんに使った料理は味もさることながら、見た目の美しさにも心奪われます。フランス料理の奥深さと素晴らしさを五感で堪能しました。

写真提供/山のホテル
写真提供/山のホテル

翌日は、空の青さ、緑の美しさに誘われて、テラス席で朝食をいただきます。朝食はアメリカンブレックファーストのセットメニュー。芦ノ湖を眺めながら、木々の香りと心地よい風に包まれていただく食事は格別の味わいです。

自然に包まれながら、ゆったりとした時間を過ごす

旅の終わり、芦ノ湖からの涼やかな風に誘われて、再び庭園へ。木漏れ日の向こうに見える穏やかな湖面をしばらく眺めていたら、ふと、いつもより時間がゆったり流れていたことに気づきました。
 
観光スポットが目白押しの箱根で、あえて自然に囲まれながら、のんびりと過ごす。山のホテルで、今という時間を慈しむ極上のリゾートステイはいかがでしょう。

施設情報はこちら

施設名
山のホテル

住所
神奈川県箱根町足柄下郡元箱根80

電話番号
0460-83-6321

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

ふるさと納税で旅行に行く

地域ナビゲーター

斎藤 里香

関東支部 ふるさとLOVERSナビゲーター
斎藤 里香

群馬県在住。北関東と埼玉を中心に取材・執筆活動をしています。いろいろな「コト」や「モノ」に携わっている人々の“代弁者”として、頑張っている姿や魅力、人々の思いなどを少しでも多くの人たちに伝えられたら嬉しいです。