栃木県日光市『あさやホテル』

日本情緒と華やかさ。多彩な顔を持つ老舗宿

2022.06.10

栃木県日光市 × 鬼怒川温泉

日本には旅の目的地になるホテルや、ふるさとに帰ったような気持ちになれる旅館があります。この記事では、人々の記憶に残る「とっておきの宿」をふるさとLOVERSナビゲーターが訪問し、その魅力をたっぷりとご紹介します。今回訪れたのは、歴史が息づく栃木県日光市で、十人十色の楽しみ方ができる老舗宿「あさやホテル」です。

一大観光地、日光にある関東屈指の鬼怒川温泉

栃木県日光市は日本のみならず、世界でも知られた一大観光地。日光東照宮と日光輪王寺、日光二荒山神社は世界遺産「日光の社寺」に登録されており、歴史の息吹を今に伝えています。

日光市から車で30分ほどの場所にある関東屈指の温泉地、鬼怒川(きぬがわ)温泉は鬼怒川の美しい渓谷に沿うように温泉旅館やホテルが建ち並んでいます。江戸時代の元禄年間に発見された鬼怒川温泉は古くから「傷は川治、やけどは滝(現在の鬼怒川温泉)」といわれ、火傷や皮膚病などの湯治場として利用されてきました。その鬼怒川温泉で最も古い歴史を持つ旅館が、創業130年の「あさやホテル」。歴史と華やかさを併せ持った人気宿です。

まるで別世界!豪華絢爛な吹き抜けがお出迎え

国道121号を鬼怒川沿いに進んで行くと、旅館のイメージを覆す大きな建物が現れます。今回、お世話になる老舗宿「あさやホテル」です。驚くのは外観だけではありません。

ロビーに足を踏み入れた途端、目の前に広がる豪華絢爛な景色に思わず歓声を挙げてしまいました。ロビーは12階まで吹き抜けになっており、吹き抜けの周囲に客室が配されています。天井から吊るされたきらびやかな照明、吹き抜けを上下するガラス張りのエレベーター。贅を尽くした造形美に見とれること必至です。

創業130年。鬼怒川温泉最古の老舗旅館

まず、営業企画課主任の野口麻衣(のぐちまい)さんが案内してくれたのは、宿の歴史などを紹介した「あさやライブラリー」。古い看板や道具、写真などが展示されており、鬼怒川温泉、そしてあさやの歴史をたどることができます。

説明文によると、炭焼きや麻の製造を営んでいた「あさや」の創業者が明治21年、会津西街道沿いで「麻屋」という宿屋を開業。その後、源泉の権利を元旗本家から譲り受け、「麻屋旅館」として開業しました。
 
ちなみに江戸時代、鬼怒川温泉は一般の人の入浴は禁止され、大名家や日光山の僧侶など、限られた一部の人しか入浴できない貴重な温泉でした。そんな歴史からも、日光、そして鬼怒川温泉の格式を感じることができます。

日本情緒を感じさせる佇まい「八番館」に宿泊

写真提供/あさやホテル
写真提供/あさやホテル

あさやには、落ち着いた佇まいの「八番館」、華やかな「秀峰館」の2館があり、その中でも洋室や和室、眺望風呂付や露天風呂付など、さまざまなタイプの客室があります。今回は、上質な大人時間を堪能するため、古き良き日本の温泉旅館を再現したという「八番館」の貴賓室に宿泊しました。

八番館貴賓室の室内は洗練された和の設えで統一され、上質な心地よさで満たされています。なかでも、独特の存在感を放っているのが、テーブルやベッドサイドなどに配された伝統工芸の鹿沼組子(かぬまくみこ)。曲線と直接を織り交ぜた美しい木工細工の伝統美が、より気品を高めています。

また、ベッドパットや敷き布団に備長炭を織り込み、炭入りの枕の用意も。「創業者が炭焼きを営んでいたことにちなんでいます。炭のリラックス効果や除湿、抗菌などの効果でお客様に心地よくお過ごしいただきたいという思いでご用意しております」と野口さんが教えてくれました。

洗面所にはナノケアのスチーマー、有名なコスメティックブランドのアメニティグッズ、宿オリジナルの基礎化粧品が用意されるなど、女性に嬉しい配慮が随所に光っています。

客室露天風呂から空中庭園露天風呂まで温泉も充実

写真提供/あさやホテル
写真提供/あさやホテル

一息ついたら、早速、客室のお風呂へ。間近に迫る山々を眺めながら、ゆったりとお湯に浸かっていると、日頃の疲れが溶けていきます。すべての客室の風呂に引かれている自家源泉「子宝の湯」はアルカリ性単純温泉で、神経痛や筋肉痛、疲労回復などに効果的です。

写真提供/あさやホテル
写真提供/あさやホテル

その後、鬼怒川温泉で一番高い位置にあるという宿名物の「空中庭園露天風呂」へ。その名の通り、まるで空中に浮かんでいるかのような絶景が広がります。昼間は雄大な山々、夜は満天の星。温泉に浸かりながら、刻々と変化する自然のショーを鑑賞…なんて贅沢な時間!

このほか、八番館と秀峰館それぞれに大浴場、4カ所の貸切風呂もあるので、館内で湯巡りを楽しんでくださいね。

夕食は個室料亭でゆったりと会席料理を堪能

写真提供/あさやホテル
写真提供/あさやホテル

温泉で心と体を解きほぐしたら、夕食は八番館にある個室料亭「日光」で会席料理をいただきます。料亭は客室と同様、手仕事の温かみを感じさせる鹿沼組子や栃木県宇都宮市の特産「大谷石」が随所に配され、高級感と気品を感じさせる心地よい空間。個室なので周囲に気兼ねすることなく、静かにゆったりと料理を堪能します。

写真提供/あさやホテル
写真提供/あさやホテル

見た目にも美しい料理の数々は、一品ひと品、作り手のこだわりと愛情が伝わってきます。湯葉やヤシオマスといった栃木ならではの食材も豊富で、なんといっても「とちぎ和牛」はきめ細かくて柔らかく、うまみを凝縮した逸品。厳選された旬の食材たちが料理を華やかに盛り上げます。

写真提供/あさやホテル
写真提供/あさやホテル

夕食は、100種以上の料理が並ぶバイキングを選ぶこともできます。バイキングでは、和洋中のさまざまな料理が並び、オープンキッチンや窯焼きピザ、トッピングが選べるパスタ、極めつけは見た目も美しい30種のデザートなど、ワクワク感満載です。

「癒しとエンターテインメント」の設備が充実

「癒しとエンターテインメント」をモットーとするあさやでは、アミューズメント設備も充実。整体、マッサージはもちろんのこと、カラオケや卓球、ビリヤード、岩盤浴など、年代を問わず、それぞれの滞在スタイルに合わせた楽しみ方ができるよう配慮されています。また、お土産コーナーは日光・鬼怒川温泉定番のものから宿オリジナルまで大きな土産店並みの品揃えです。チェックアウトの直前まで、お土産選びで盛り上がりました。

自分スタイルで楽しめる、オールラウンドな宿

旅に求めるものは十人十色。だからこそ、「お子さま連れから年配の方まで、皆さんにご満足いただけるような宿を目指しています」と話す野口さん。華やかさと風情、寛ぎとワクワク感…そんな多彩な“顔”を持っていることがあさやの一番の魅力です。
 
ロビーに足を踏み入れた瞬間から、夢のような時間が始まる老舗宿。自分スタイルで楽しむ至福の時間が、それぞれの旅を鮮やかに彩ってくれることでしょう。

施設情報はこちら

施設名
あさやホテル

住所
栃木県日光市鬼怒川温泉滝813

電話番号
0288-77-1111

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

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地域ナビゲーター

斎藤 里香

関東支部 ふるさとLOVERSナビゲーター
斎藤 里香

群馬県在住。北関東と埼玉を中心に取材・執筆活動をしています。いろいろな「コト」や「モノ」に携わっている人々の“代弁者”として、頑張っている姿や魅力、人々の思いなどを少しでも多くの人たちに伝えられたら嬉しいです。