栃木県日光市

食、祭り、温泉…日光の奥深さに出会う旅

2022.07.09

日本を代表する観光地でもある栃木県日光市。徳川家康公がまつられた「日光東照宮」などの世界遺産「日光の社寺」はあまりにも有名ですが、日光の魅力はそれだけではありません。鬼怒川(きぬがわ)温泉をはじめとする川治や湯西川などの温泉地、雄大な自然、グルメなど、さまざまな表情を持っています。そんな日光でとくに冬、訪れてほしいのが「湯西川温泉 かまくら祭」です。歴史散策や美味しいもの巡りも併せて、日光の奥深さを体感してきました。

おすすめモデルコース

1日目

  16:00 鬼怒川温泉の老舗宿で上質な大人時間

旅の最初の目的地は、関東でも有数の鬼怒川温泉。江戸時代に発見されたという、雄大な渓谷美が美しい温泉地です。渓谷沿いに建ち並ぶ旅館やホテルを眺めながら進むと、ひときわ目立つ建物が見えてきます。今回お世話になる老舗宿「あさやホテル」です。外観の大きさにもびっくりしますが、さらに驚くのが…

この吹き抜け!ロビーに足を踏み入れた瞬間、思わず歓声が!地上12階の巨大な吹き抜けを囲むように客室が配されています。ゴージャスな眺めに、しばし見とれてしまいました。

写真提供/あさやホテル
写真提供/あさやホテル

この華やかできらびやかな館内とは雰囲気が一変するのが、今回宿泊した「八番館」貴賓室。落ち着いた和の佇まいで、栃木の伝統工芸品「鹿沼組子(かぬまくみこ)」がベッドサイドやテーブルなどに配され、上質な雰囲気を醸しています。

写真提供/あさやホテル
写真提供/あさやホテル

さらに歓声を挙げた場所が、13階の最上階に位置する「空中庭園露天風呂」。自家源泉「子宝の湯」を引いたアルカリ性単純温泉は神経痛や筋肉痛、疲労回復などに効果的とされています。名前の通り、まるで空中に浮かんでいるような露天風呂からは、雄大な山々が目の前に迫っています。そして夜。満天の星を眺めながら、ゆったりと温泉に浸かる、至福の時間です。

施設情報はこちら

施設名

あさやホテル

住所

栃木県日光市鬼怒川温泉滝813

電話番号

0288-77-1111

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

 

2日目

  12:30 日光で歴史散策の後は日光名物・湯葉を堪能

写真提供/日光湯葉巻 全ZEN
写真提供/日光湯葉巻 全ZEN

2日目、60種類の朝食バイキングで英気を養ったら、いよいよ日光観光へ出発です。車で30分ほどで東照宮周辺に到着。東照宮の伝統美に心震わせつつ、湯葉や羊羹といった日光名物のお店を巡って歩き疲れたころ、ちょうどランチの時間になりました。

今回は、東照宮から徒歩10分、日光街道沿いにある和風創作料理のお店「全(ぜん)」で日光名物、湯葉の料理をいただくことにします。和モダンで落ち着いた店に入ると、着物姿の女性客が迎えてくれました。日光ならではの風情を感じさせてくれます。

写真提供/日光湯葉巻 全ZEN
写真提供/日光湯葉巻 全ZEN

ランチで一番人気の「全の日光湯葉巻御膳」を注文。巻き寿司のような「湯葉巻」の具材は、和牛、真鯛、野菜の3種類。湯葉巻は、肉と魚のコクとうまみをブレンドした豆乳ダレが湯葉の味わいをさらに引き立てます。

「湯葉、お米、和牛から調味料まで、食材には絶対の自信があります。これまでにない湯葉との出会いを楽しんでもらいたいですね」と齊藤直樹(さいとうなおき)オーナー。湯葉の食感と和牛のうまみ、豆乳のコク深さなどが見事に調和した湯葉巻にリピーターが多いというのもうなずけます。

施設情報はこちら

施設名

日光湯葉巻 全ZEN

住所

栃木県日光市上鉢石町1007

電話番号

0288-53-3470

営業時間

11:00~15:30、17:00〜21:00(ディナーは完全予約)

休業日

火曜(祝日の場合は翌日)

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

 

  14:30 散策に疲れたら、「ドラバタ」を食べて元気復活

さて、ランチで腹ごしらえをしたら、ふたたび日光散策。同じく世界遺産の二荒山(ふたらさん)神社を参拝して下ってくると、おしゃれなお店が並ぶ一角に到着しました。ここが、2020年にオープンした「西参道茶屋」です。4店舗が軽食やスイーツなどを提供。屋外には椅子やテーブルも配置され、ひと休みにはぴったりのスポットです。

店舗の1つ、「日光ドラバタさん」は、いちご王国・栃木県の「伊澤いちご園」が手がけるどら焼き屋さん。「どら焼きの生地やコンポートなどはすべて店内で手作りしています。菓子用粉の最高峰といわれる宝笠(たからがさ)をはじめ、北海道産の厳選したあずきやバターなど、素材には絶対の自信があります」と同店の小島史也(こじまふみや)店長は話します。

写真提供/日光ドラバタさん
写真提供/日光ドラバタさん

自家農園のいちごをコンポートにして、バタークリームに混ぜた日光ドラバタさん「いちご」は、酸味とバタークリームのコク、香ばしい生地がバランスよく調和した一品。さっぱりとした後味なので、あっという間に完食です。お土産なら、組み合わせ自由の箱入り5個、10個セットがおすすめですよ。

施設情報はこちら

施設名

日光ドラバタさん 西参道茶屋店

住所

栃木県日光市安川町10-20

電話番号

0288-25-6970

営業時間

10:00~17:00

休業日

水曜

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

 

  16:30 「湯西川温泉 かまくら祭」で幻想的な世界へ

写真提供/湯西川温泉かまくら祭実行委員会
写真提供/湯西川温泉かまくら祭実行委員会

日光の歴史とグルメをたっぷり楽しんだあとは、旅のハイライト「湯西川温泉 かまくら祭」へ。雪のない日光市街地から景色は一変。雪化粧をした湯西川温泉はモノクロの美しい世界が広がっていました。

かまくら祭は「多くの人に雪国の風情を楽しんでもらいたい」と1993年にスタート。旅館の関係者や商店街、地域の人が一丸となって運営する手作りのお祭りです。「準備はもちろんのこと、相手が雪なので常に補強して維持するのが一苦労です」と話すのは、湯西川温泉かまくら祭実行委員会の山城義嗣(やましろ よしつぐ)委員長。

写真提供/湯西川温泉かまくら祭実行委員会
写真提供/湯西川温泉かまくら祭実行委員会

日本夜景遺産にも認定されたかまくら祭のメイン会場は2つ。見どころは河川敷に広がるミニかまくらの幻想的な風景です。とくに沢口橋からの眺めは格別で、真っ白な雪の中に浮かび上がるオレンジの光の帯は、いつまでも心に刻まれる情景です。

ところが、残念なことに2022年は新型コロナウイルスの感染防止のため中止に。 それでも、「メイン会場の1つになっている平家の里に行けば、少しは祭り気分を味わえますよ」という山城委員長のアドバイスを受けて足を延ばしてみると、平家の里は視界を覆うほどの雪、雪、雪。よく見ると、あちこちに高さ40cmほどの雪が盛られています。これがミニかまくらで、祭ではこの中にろうそくを点灯し、幽玄の世界を演出します。火が灯された美しい光景に思いを馳せつつ、「来年こそは!」と銀世界を後にしました。

施設情報はこちら

施設名

湯西川温泉 かまくら祭

住所

栃木県日光市湯西川 平家の里、沢口河川敷ミニかまくら会場ほか ※開催年によって変更の可能性あり

電話番号

0288-22-1525(日光市観光協会)

開催時期

例年1月下旬〜3月上旬

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

 

日光市といえば日光東照宮が有名。ですが、今回の旅を終えて、歴史を紡いできた場所だからこその魅力がたくさんあることを再確認しました。歴史を大切にする人たち、そこから新たな歴史を作ろうとする人たち。そうした人々の活力が、日光をより輝かせています。日光を訪れたら、世界遺産とともに人が紡ぐ日光の奥深さをぜひ、体感してください。

地域ナビゲーター

斎藤 里香

関東支部 ふるさとLOVERSナビゲーター
斎藤 里香

群馬県在住。北関東と埼玉を中心に取材・執筆活動をしています。いろいろな「コト」や「モノ」に携わっている人々の“代弁者”として、頑張っている姿や魅力、人々の思いなどを少しでも多くの人たちに伝えられたら嬉しいです。