沖縄県

沖縄が誇る「守礼の心」を巡る旅

2020.11.22

この記事では、朝日放送テレビ「ふるさとLOVERS」で紹介された「首里 東道Dining」の伊波良子さんが大事にする「守礼の心」をテーマに、沖縄の旅プランを紹介します。

朝日放送テレビ「ふるさとLOVERS」で紹介された映像は、こちらから特別にご覧いただけます。

日本屈指のリゾート地である沖縄ですが、その南国ムードはもちろんのこと、沖縄の「人」が好きで何度も観光に訪れるという声も多く耳にします。

「沖縄で関わった人が、とても優しかった」そんな声が多いのは、沖縄に琉球王国時代から伝わる「守礼の心」から来ているのかもしれません。守礼の心とは「礼節を重んじる心」です。首里城の「守礼門」にもその名が刻まれていることから、沖縄の心そのものだと言われています。

今回は、沖縄で働く人たちが持つ「守礼の心」を尋ねながら、普段の沖縄旅行とは少し違った目線で2日間の旅をたっぷりとご紹介します。

おすすめモデルコース

1日目

  12:30 “おもてなしの心”で盛り付けられた沖縄そば

沖縄に到着して一番はじめに食べたいのは“絶対に満足できる郷土料理ランチ”。ということで最初のランチに選んだのは、那覇空港から車で約20分の場所にある「いしぐふー浦添大公園店」です。公園内高台の展望台部分にあり、浦添市周辺や西海岸の海と空が一望できる絶景を眺めることができます。おすすめメニューは「いしぐふーそば(950円)」。

写真は「あぶりソーキそば(750円)
写真は「あぶりソーキそば(750円)

いしぐふーは、沖縄のローカル番組で「第一回沖縄そば王座決定戦」初代沖縄そば王として選ばれた、地元民も認める人気店。

人気の秘けつは、なんといっても一杯に込められたこだわりの数々!あぐー(沖縄の豚)から丁寧に出汁をとった贅沢スープにあわせて毎日作られる、コシの強いオリジナルの手もみ麺が見事に絡み合い、その上にのったふわふわの玉子焼きが全体を優しい味わいに仕上げています。

いしぐふーのおそばには、しっかりと煮込まれた、トロトロの炙りソーキ肉と、江戸時代から変わらぬ製法で作れらる本枯カツオ節、さらに炙りソーキ肉の薬味として、わさびとからしがセットでついてきます。

 まずは、沖縄そばのあぐー出汁の香りと味を楽しみながらいただき、3分の1程度食べたところで、カツオ節を加えて、豊かな風味を楽しみながら、一杯を存分に味わいましょう。

驚くほどおいしい沖縄そばですが、いしぐふー浦添大公園店店長の小河原 健太(おがわら けんた)さんは「この店でおいしいものを作るのは当たり前」だと話します。「おいしいだけじゃなくて、楽しんで過ごしてもらえるお店を心がけています。お店が忙しい時間帯以外は外までお見送りしたり、雨が降ったら傘をさして車までお見送りしたり、できる限りのおもてなしを大事にしています」

全スタッフがコミュニケーションを大事にすることで、スタッフにファンがつくことも多いのだとか。本来、さくっと食べることが多い沖縄そばですが、気軽に食べられるお店で思いのほか会話が楽しかったら?旅のスタートは、そんなお店からだと気持ちがいいものですね。

スポット情報

施設名

いしぐふー浦添大公園店

住所

沖縄県浦添市仲間2丁目53

電話番号

080-2780-1800

営業時間

11:00~17:00

休業日

月曜日(祝祭日営業)※祝日の場合、翌日に振替店休

 

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

  14:00 “時代の象徴であり、守礼の心を象徴する「守礼門」

いしぐふー浦添大公園店から車で約15分の場所に首里城があります。首里城は沖縄の歴史・文化を象徴する城であり、首里城の歴史は琉球王国の歴史そのものだといわれています。

2019年10月に正殿含む8棟が焼失し、全国的に話題となりましたが、現在は正殿基壇遺構(いこう)の見学や首里城復興展示室、首里城復興モデルコースなど、以前とは少し違った内容で見学や観光を楽しめる工夫がされています。

首里城に入る一番最初の門であることから、琉球王国の象徴とも言われ、2000円札の絵柄にも選ばれた「守礼門」は、実はずっとこの名前ではなく、時代によって「待賢(たいけん)門」や「首里門」など、さまざまな名称で呼ばれてきました。現在の「守礼門」という名前は、門に掲げられた扁額(へんがく/建物の内外や門・鳥居などの高い位置に掲出される額)の「守禮之邦(しゅれいのくに)」からきており、守禮之邦は「琉球王国は礼節を重んじる国です」という意味です。

かつて琉球王国は外交が盛んな国だったため、首里城に迎え入れる一番最初の門に「守禮之邦」を掲げることで、「私たちの国は礼節を重んじる国ですよ」と表明していたのだそうです。

首里城で解説員として働く多和多 沙弥(たわた さや)さんは、この守礼門に込められた想いを末長く守っていきたいと語ります。「当時、守禮之邦という扁額を掲げ、国外から来るお客さまをもてなしたように、私たちも国内外から来るお客さまに対しておもてなしの心でお迎えしたいと思っています。そしてこれから生まれてくる子どもたちにも、琉球王国という国が確かにあり、国にとって重要な場所として首里城が存在していたことを伝えていきたいです」

現在も首里城では、守礼の心を重んじて多言語対応やバリアフリーなど機能面でもあらゆる属性の人をもてなせるよう整えること、そうやってそこで働く人がしっかりと「守礼の心」を引き継いでいくことで、目に見えない「心」が引き継がれていくのです。

スポット情報

施設名

首里城公園

住所

沖縄県那覇市首里金城町1-2

電話番号

098-886-2020

開演時間

8:30~18:00(無料区域)/9:00~17:30(有料区域・入場券販売締切17:00)首里城公園施設の一部休場日: 7月の第1水曜日とその翌日(休場対象:レストラン、売店、駐車場含む首里壮館)

 

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

  17:30 首里の夜景を眺めながらいただく、琉球フュージョン料理

首里城をたっぷりと散策した後は、車で5分の場所にある「首里 東道Dining(シュリ トゥンダーダイニング)で夕食を。口コミで評判が広まったこのお店はマンションの中にあり、人が住んでいる場所でもあるため営業時間は18時~21時の3時間という条件にも関わらず、日々予約で埋まる人気店です。

人気の理由は3つあります。ひとつは、まるで映画館のように大きな窓から見える美しい夜景。首里城焼失前は、ライトアップされた首里城が華やかに佇み、首里の絶景と絶妙に調和していました。現在は、よみがえる首里城の姿と首里の夜景を望める場所となっています。

そしてふたつめは、オーナーのこだわりが詰まった「琉球料理」と「琉球フュージョン料理」が提供されること。琉球フュージョン料理とは、沖縄の食材に惚れ込んだオーナーが、県産食材を使って世界各国の料理と組み合わせた創作料理。そのレパートリーはなんと40カ国もあり、毎回あらゆる国と沖縄食材のコラボが楽しめることで、リピーターや口コミが圧倒的に多いお店となっています。

そして3つ目は、なんといってもオーナーのおもてなし精神。琉球フュージョン料理を生み出したきっかけも、沖縄食材の価値の向上と普及、そしてご高齢の常連客のために「料理で世界旅行を提供したい」という思いからスタートしています。お店は完全予約制。その理由はその人その人に合わせた料理を味わってもらうため、人やシチュエーションに合わせて料理を毎度考案しているからなのです。

食べる側としてはうれしいサービスですが、それを続けるのはとても大変なことなのでは?と尋ねてみたところ、柔らかく笑い「そうなのよ」とオーナーの伊波良子さん。続けて「でも、お客さんが喜んでくれるから大変だけど楽しいんです。お客さんが喜んでくれるのを想像するのが楽しいですし、本当に喜んでくれたらそれがやりがいに変わります」と話してくれました。

「昔、東京で別の仕事をしていた時は、自分の技術を高めたり、新しいこと面白いことは何だろうと仕事の中身ばかりを考えていました。だけど、沖縄で周囲の人たちの“守礼の心”に触れてからは、私も身近な人のために頑張りたいと思うようになったんです。沖縄が私を生まれ変わらせてくれたから、料理で恩返しをしたい」と話す伊波さん。守礼の心は、脈々と沖縄の地で受け継がれていました。

スポット情報

施設名

首里 東道Dining

住所

沖縄県那覇市首里当蔵町2-13 キャッスルビュー4F

電話番号

050-3467-0364

営業時間

18:00~21:00(L.O.20:30、ドリンクL.O.20:45)

休業日

日曜日

 

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

  20:00 ホテルにチェックイン。天然温泉や夜の夜景を楽しんで

観光も食事も満喫した後は「ロワジール スパタワー 那覇」にチェックイン。アクセスの便利さがありながら、リゾート感のある佇まいや那覇市唯一の源泉かけ流し天然温泉、1年中利用できるプールに、夜は美しい夜景を一望できるバーなど、ホテルから出なくても1日を満喫できると定評のあるホテルです。

チェックイン後はまず、アロマの香り漂う渡り廊下「スカイウォーク」を歩き、高まった気分は徐々にリラックスモードへ。

客室でしばしのんびりと過ごした後は、源泉かけ流し天然温泉でゆっくり入浴タイムはマスト。温泉で身体を温めた後は、夜景の見えるbarでお酒を嗜んだり、トリートメントルームでアーユルヴェーダ体験もおすすめです。

2日目

  8:00 陽の光差し込む空間で、栄養満点の朝食を

沖縄旅行2日目の朝は、南国の太陽の光がたっぷりと差し込むシートでゆったりと朝食タイム。ホテルベーカリーの焼きたてパンをはじめ、和食・洋食・沖縄料理がビュッフェ形式で楽しむことができます。朝ごはんを食べた後、もう一度天然温泉に入るのもおすすめです。(天然温泉は朝7時からオープン)

ロワジール スパタワー 那覇でマーケティング課長を務める石川 清二(いしかわ きよじ)さんは、ここには人と関わることが大好きなスタッフが多いのだと笑顔で話します。

「みんな、ゆんたく(沖縄の方言で“おしゃべり”)が大好きなんです。常連さんと家族ぐるみで付き合いがあるスタッフもいるくらい。当ホテル公式HPにはホテル周辺ランニングコース情報ページがありますが、このページもお客さまとの会話から生まれました。また、サプライズにも力を入れていて、お誕生日や記念日のお客さまがいたらパティシエ特製のアニバーサリーケーキとスパークリングワイン(ハーフサイズ)をプレゼントしています」

ロワジール スパタワー 那覇は今年で創業27年を迎えますが、創業当時から勤めているスタッフが40人ほどいるのだそう。ホテルに対し思い入れの強いスタッフが多いことも、おもてなし精神に繋がっているのだと話してくれました。

スポット情報

施設名

ロワジール スパタワー 那覇

住所

沖縄県那覇市西3丁目2−1

電話番号

098‐868‐2222

 

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

  10:00 異国情緒あふれる空間で、ショッピングとカフェタイムを満喫

エネルギー満タンで向かうのは大きな観覧車が目印の美浜アメリカンビレッジ内にある、フォトジェニックなリゾートタウン「デポアイランド」デポアイランドは、カラフルで異国情緒あふれる街並みに、アメリカン雑貨やおしゃれなカフェが集結するお洒落スポット。思わず写真を撮りたくなるようなオブジェや色使いが特徴で、散策はもちろんショッピングやランチ、カフェタイムにもぴったりです。

今では北谷町のランドマークともいえる賑わいの場所となりましたが、デポアイランドの開発が始まったのは2008年の頃。旅行好きが高じてデポアイランド建設に至ったオーナーの奥原 悟(おくはら さとる)さんですが、きっかけは「旅の思い出づくりには非日常空間を提供したまちづくりをおこなうことが必要。北谷町の美しい海を活かし、皆さんに楽しんでもらいたい」という想いからでした。

「この場所から見える夕陽はとてもきれいなんですが、以前はそれが全く活かされていなかったんです。この美しい海を活かした観光スポットを作りたい、そう思ったことからデポアイランドという名の街づくりが始まりました」

街づくりを進めるにあたり、いくつかのこだわりを持ちデポアイランドは創られました。電柱をなくしたり、設備など日常はおしゃれに隠し、リゾートを味わえる空間を提供しています。

デポアイランドのカフェはテラスが売り。南の島を最大限楽しんでいただけるようテラス席をふんだんに設けています。南の潮風を感じ、陽の光を浴び、五感でデポアイランドを味わって欲しいと奥原さんは考えています。

イベントはただ見るだけではなく、その空間に深く入り込めることにもこだわります。例えばデポアイランドはクリスマスのイルミネーションが有名ですが、通常のイルミネーションとは少し違った点が。それは夜だけ華やかにするのではなく、オブジェや敷地内の暗い場所を活用し、昼間も華やかな装飾が楽しめる工夫がされています。

他にも一年を通したミュージックライブやアートイベントなど、どちらもデポアイランドのオープンエアーを活かし、非日常空間で地方の肩と交流ができ、デポアイランドの日常が味わえる参加型イベントを行い旅の思い出づくりを提供しています。

昼間のイルミネーション
昼間のイルミネーション

このようなこだわりの素敵さもさることながら、デポアイランドは今でも進化を続けているというから驚きです。

「私たちは何度足を運んでも感動できるよう、毎日趣向を凝らしています。毎度告知はしませんが、お客さんは気付くんです。“こういうのあった?”“ここが変わったね!”という声が聴こえてきます。その瞬間の笑顔を見るたびに、次はどういう仕掛けをしようかとわくわくします」

お客さんの笑顔を間近で見ながら、次は何を仕掛けようかとわくわくしている姿を見ると、何度も訪れて変化を楽しみたいわくわく感がこみあげてきました。

スポット情報

施設名

デポアイランド

住所

沖縄県中頭郡北谷町字美浜9-1

電話番号

098-926-3322

営業時間・休業日

店舗により異なる

 

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

  13:00 自分だけのお気に入りを探しに「やちむんの里」へ

日本一人口が多い村として知られる読谷村の人気観光スポットは、大きな登り窯がトレードマークの「やちむんの里」。広大な敷地内に、それぞれが独立して営業する19の工房が集結し散策を楽しみながら工房を眺めたり、売店でショッピングを楽しむことができます。

里内には2つの共同売店があり、窯元、陶芸家ごとに異なる読谷山焼き、壼屋焼きの個性豊かな器がずらりと並びます。

沖縄の美しい海を思い出させるペルシャブルーの器や、やちむんらしい唐草模様、人間国宝である金城次郎さん伝統の線彫りなど、あらゆる美しさに出会えるのも楽しみのひとつ。何より、すぐ近くで作家さんが1枚1枚作った器だと思うと、時間をかけて運命のひとつを探したくなるんです。

この場所で陶芸を担う常秀工房の親方・島袋 常秀(しまぶくろ つねひで)さんは、なんとこの道50年の大ベテラン。島袋さんのお父さまも焼き物職人をされていたそうで、父のもとで修行を積んだのち独立し、この地で日々ものづくりを行っています。「小さい頃からずっと、父の仕事を見て“おもしろいことをしているな”と思い、見よう見まねで焼き物を作っていました。父は寡黙な人でしたが、とても丁寧に仕事をする人で、技術レベルも高く焼き物の幅も広かったので、いろいろな手仕事を見せてもらいました」

確かな技術を受け継ぎ、50年間焼き物を作り続けてきた島袋さん。今でも大事にしているのは「体全体を使って作ること」なのだそう。「焼き物は手のぬくもりが自然と出てくるものです。今は電動のろくろもありますが、僕はあえて電動は使わず自分の足で蹴って回し、体全体で作るようにしています」

元々はただの土だったものに、体全体を使って命を吹き込んでいく。その工程をひとつひとつ丁寧に施していくから、私たちはほかのどれでもない「これだ」という器に出会えるのかもしれません。

スポット情報

施設名

やちむんの里

住所

沖縄県中頭郡読谷村座喜味2653-1

電話番号

098-958-4468

営業時間・休業日

工房により異なる

 

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

沖縄は、美しい海や三線の音色、照り付ける太陽などに癒やされる場所ですが、人からいただく癒やしや優しさ、思いやりも、それこそ移住したいという気持ちすら湧くほどに魅力があります。観光地や景色の素晴らしさだけでなく、守礼の心に触れながら、まだ見たことのない沖縄の魅力を巡ってみてはいかがでしょうか。

地域ナビゲーター

三好 優実

沖縄支部 沖縄ライター
三好 優実

沖縄県那覇市在住。香川県で生まれ育ったのち、大阪や東京で仕事中心の生活を満喫していましたが、沖縄旅行で「人」の魅力にはまり、仕事をあっさり手放して移住。1年くらいで別の土地に行こうと思いきや、早6年が経過しました。ライター歴は5年。