北海道小樽市

感動の瞬間に行ってみた!島武意海岸篇

2022.10.14

積丹ブルーを目指す、初夏の小樽・積丹旅

そのとき、その瞬間でなければ決して出会えない日本の絶景を紹介する「感動の瞬間」シリーズ。この記事では、日常や普段の旅行ではなかなか見ることのできない感動スポットに、ふるさとLOVERSナビゲーターが旅人となって訪問。その土地に旅がしたくなる周辺情報と一緒に、みなさまをご案内します。今回の感動の瞬間は、北海道・積丹半島の「島武意海岸」がテーマです。

「感動の瞬間×島武意海岸」

感動の瞬間公式サイトより
感動の瞬間公式サイトより

北海道積丹(しゃこたん)半島の海は、浅瀬に生える海藻が少なく、透明度が高いことから「積丹ブルー」と呼ばれています。夏の海は日本海とは思えない青さをたたえ、大空と一体化しています。さらに、5月から8月にかけてウニ漁が解禁。小舟に乗った漁師が海底をのぞきながら、長い棒を使って漁をする姿を見ることができます。そんな夏の積丹に、ふるさとLOVERSナビゲーターの吉田が出会ってきました。大正ロマンが漂う小樽のおすすめスポットとともにご紹介します!

おすすめモデルコース

1日目

  12:00 夏限定の「小樽産ウニ丼」で豪華ランチ

小樽市には3つの漁港があり、近海で水揚げされた魚介が市場に並びます。中でも、小樽駅から徒歩約1分の「三角市場」にある「味処たけだ」は、初めて小樽を訪れた人でも気軽に立ち寄れるお店です。

「味処たけだ」は、武田鮮魚店の直営店。一年を通して新鮮な魚介が味わえます。人気は「ウニ丼」。漁の解禁が異なる北海道各地からウニを取り寄せており、一年を通してウニ丼を味わうことができます。

5月から8月は小樽産のウニを使用。「小樽産は他の地域に比べて粒が大きく食べ応えがあります。夏に来てくれたお客さんには、ぜひ小樽のウニを味わってほしいです」と、武田哲幸(たけだ てつゆき)社長。その言葉に誘われてウニ丼をいただくことにしました。

「旬のうに食比べ丼(時価、この日は5500円)」は、「エゾムラサキウニ」と「エゾバフンウニ」の二つを一度に味わえる贅沢な逸品。二色のコントラストが美しく、食べるのが惜しくて見とれてしまいました。エゾムラサキウニは淡泊で上品な甘さが特徴で、ほのかな磯の香りが鼻を抜けていきます。エゾバフンウニはタワシのような殻を持ち、身は鮮やかなオレンジ色。とても濃厚で上質な甘さが口に広がります。バフンウニは漁獲量が極端に少ないため、提供できないこともあるそう。最高のウニ丼で幸先の良い旅のスタートを切ることができました。

施設情報はこちら

施設名

味処たけだ

住所

北海道小樽市稲穂3-10-16 三角市場

電話番号

0134-22-9652

営業時間

7:00~16:00

休業日

1月1日

 

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

  14:30 明治44年創業 飴づくり一筋の老舗「澤の露本舗」

お土産を探して訪れたのは「花園銀座商店街」。昔ながらのお店が建ち並び、楽しく散策できる場所です。その一角にある「澤の露本舗」は、明治44(1991)年の創業から現在まで一種類の飴を手作りしています。原料は砂糖とレモンオイルのみ。爽やかでほかにはないおいしさが人気です。4代目の高久模夫(たかくのりお)さんが澤の露本舗と製法の伝統を守り続けています。

「澤の露」の歴史は、福井県で菓子店を営んでいた澤崎浅次郎さんが小樽に移住したことから始まります。当時、砂糖は希少品。しかし、一緒に移住した仲間に砂糖の卸売業者がいたことから、砂糖のみを使った飴を作ることを思いつきます。イギリスから輸入した天然レモンオイルを組み合わせることで、爽やかなあと味の飴が完成しました。「4代にわたって受け継がれた澤の露の製法は創業当時から変わっていません」と高久さん。

飴はビー玉ほどの大きさです。黄金に輝く球体はまるで宝石のよう。自然な甘さの優しい味わいで、柑橘の香りがアクセントになっています。爽やが口に広がり、すべて溶けてしまった後も余韻が残りました。

施設情報はこちら

施設名

澤の露本舗

住所

北海道小樽市花園1丁目4番25号

電話番号

0134-22-1428

営業時間

11:00 ~ 16:00(短縮営業中)

休業日

水曜日

 

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

  15:30 初夏の風に吹かれて小粋な時間を過ごす「小樽運河クルーズ」

小樽観光に「小樽運河」は外せないスポットです。北海道開拓の玄関口として発展した小樽港からの運搬作業を効率的に行うために、海岸が埋め立てられて大正12(1923)年に完成しました。陸地を掘って作られた運河と異なり、緩やかに湾曲しているのが特徴的です。

今でこそ小樽随一の観光地となっている運河ですが、埠頭岸壁の整備により、戦後は役割を終えることに。10数年にも及ぶ論争の末、一部が埋め立てられて道路となり、運河沿いに散策路や街園が整備されました。

そんな小樽運河を水面から楽しめるのが、「小樽運河クルーズ」。中央橋を出発し、船を操縦するキャプテンのガイドを聴きながら小樽港~北運河~南運河の浅草橋までを約40分かけて巡ります。

現在の運河は全長1140m、道臨港線に沿った幅が20m。北部(通称:北運河)40mにはたくさんの船が停泊しており、当時の面影を色濃く残しています。クルーズ船は運河内3つ、小樽港内2つの橋の下をくぐり抜けますが、場所によっては頭上スレスレで迫力満点です。

写真提供/小樽運河クルーズ
写真提供/小樽運河クルーズ

デイクルーズのほか、日没後にナイトクルーズも運航しています。ガス灯に明かりが灯るロマンチックなひと時が過ごせます。

施設情報はこちら

施設名

小樽運河クルーズ

住所

北海道小樽市港町5-4

電話番号

0134-31-1733

営業時間

9:30~最終便

休業日

12月31日、1月1日

 

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

  17:00 古き良き時代の小樽を感じる「運河の宿 小樽ふる川」

「運河の宿 小樽ふる川」は、古き良き時代の小樽がコンセプト。客室に嗜好を凝らし、アンティークな調度品がクラシックな空間を演出しています。

写真提供/運河の宿おたるふる川
写真提供/運河の宿おたるふる川

本日宿泊するのは、「特別室A」。部屋に入ると大きな窓から小樽運河や日本海が飛び込んできました。その光景はまるで一枚の絵画のようです。

写真提供/運河の宿おたるふる川
写真提供/運河の宿おたるふる川

天然温泉は小樽ふる川自慢の一つ。大浴場は1階の「壱の湯」、2階の「弐の湯」。男女入れ替え制で、朝夕で別々の湯を楽しむことができます。小樽軟石を使用した「壱の湯」の内風呂は、まるで蔵の中にいるような雰囲気。なめらかなお湯が心地よく、いつまでも浸かっていたい気分になりました。

写真提供/運河の宿おたるふる川
写真提供/運河の宿おたるふる川

温泉で旅の疲れを癒したら、おまちかねのディナータイム!小樽産の帆立や北海道産のアスパラガスなど、小樽近郊を中心に、北海道の食材を使用した料理を味わうことができます。

施設情報はこちら

施設名

運河の宿 小樽ふる川

住所

北海道小樽市色内1丁目2-15

電話番号

0134-29-2345

休業日

年中無休

 

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

2日目

  12:00 初夏の陽気に誘われて積丹ドライブ

2日目は、小樽市から車で2時間ほどの場所にある積丹半島へ。いよいよこの旅の一番の目的の場所を目指します。「積丹」はアイヌ語でシャク・コタン(夏・村)の意味。夏の海は穏やかで透明度が増し、白い岩場が太陽に照らされコバルトブルーやエメラルドグリーンなどさまざまに彩られます。その青は「積丹ブルー」と呼ばれ、美しい海をひと目みたいと観光客が訪れるスポットです。

景勝地が多い積丹半島の中でも「島武意(しまむい)海岸」は、展望スペースから透明度の高い海底を眺めることができる人気スポット。日本の渚百選の一つに選ばれており、夕日や夜景など時間帯によって異なる美しさを見せてくれます。

「島武意」はアイヌ語の「シュマ・ムイ(岩の入り江)」を意味しています。その名の通り周囲は切り立った岩場に囲まれ、人が近づくことが困難な場所です。明治28(1895)年に手掘りされた「入舸島武意(いりかしまむい)トンネル」を通って展望スペースに向かいます。

トンネルを抜け切ると、真っ青な海が目に飛び込んできました。透明度が高く、海底までも見渡すことができます。展望スペースから海岸に向かって遊歩道が整備されており、積丹ブルーに吸い寄せられるように、たくさんの人が下っていきました。

遊歩道では季節によってエゾカンゾウやハマナス、ハマエンドウなどを見ることができます。咲き誇る花々に励まされながら10分ほどかけて海岸に到着。間近に「屏風岩」がそそり立ち、展望スペースで見るよりも迫力があります。

島武意海岸には、大正6(西暦)年に築かれたニシン番屋の石垣が残されています。重機もない時代に、この海岸にどのように石を運んだのでしょうか。当時の様子に思いを巡らせながら、遊歩道を引き返しました。

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施設名

島武意海岸

住所

北海道積丹郡積丹町入舸町

電話番号

0135-44-3715(積丹観光協会)

 

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

小樽では歴史や文化、積丹では大自然の美しさを感じる旅でした。小樽産のウニはとても美味でしたが、海水の温度上昇によって毎年漁獲数が減っているそうです。先達が小樽や積丹のすばらしさを残してくれたように、次の世代にこの感動を伝えていきたい。改めてそう思える旅となりました。

地域ナビゲーター

吉田 匡和

北海道支部 地域ナビゲーター
吉田 匡和

札幌市出身、在住。社会福祉士の資格と経験を持つ異色の「おでかけ系ライター」。2016年にフリーライターに転向し、2017年に個人事業所「ブーレオルカ」を設立しました。「楽しさが伝わる」、「すべての人に有益である」、「記憶に残る」の3つを信条に執筆しています。