鹿児島県奄美市

世界に誇る奄美大島の大自然を満喫

2021.07.26

世界中から注目されるほど豊かな自然があふれる奄美大島。手付かずの自然、素朴な風景、昔から伝わる文化が多く残り、「まだ観光地化されていないところがいい」と年々ファンが増えています。自然の中でおもいっきり遊び、ここでしか味わえないグルメを堪能できる奄美大島の旅。家族でもカップルでも、友達同士でも楽しめる旅ですよ!

おすすめモデルコース

1日目

  14:30 エメラルドグリーンの海でウミガメと泳ぐ

奄美大島に着陸する飛行機から見える透明度抜群の海。南国の海で泳ぐなら、色とりどりのサンゴやかわいらしい魚たちはもちろん、ウミガメと一緒に泳いでみたいと思う人も多いのではないでしょうか。そんなときにおすすめなのが、OCEANZ(オーシャンズ)のウミガメシュノーケリングツアーです。

OCEANZのツアーは、ウミガメの遭遇率がなんと98%!手を伸ばせば触れそうなくらい近くまで寄れることもあるので、大人も子どもも大興奮間違いなしです。こだわりは1枠1組貸し切りでツアーを行うこと。ほかのお客さまも一緒だと、泳ぐペースが違って思う存分楽しめないことがあります。その点、OCEANZは貸し切りなので、ご家族や友達と気兼ねなく参加することができるのです。

「奄美大島は自然がすごく豊かで、世界からも注目されています。こんなに近くでウミガメと泳げる海はなかなかない。自然や文化を満喫してほしいし、どうしたら自然を守っていけるかにも意識を傾けてもらえるとうれしいです」と代表の遠藤優人(えんどう まさと)さんは話します。

ライフジャケットやウェットスーツは無料でレンタルできるので初心者でも安心。ツアーは4歳から参加でき、泳げない子には浮き輪を貸し出しています。はじめは不安で泳げなかった子でも、ウミガメを見つけたら興奮して泳げるようになることもよくあります。海の中をゆったりと優雅に泳ぐウミガメ。一緒に泳ぐと、気分はまるで浦島太郎!どこまでも青く、キラキラと輝く海は竜宮城のような世界です。奄美大島でしかできない感動体験を、ぜひ味わってみてください。

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施設名

OCEANZ(オーシャンズ)

住所

鹿児島県奄美市笠利町平1295-2

電話番号

0997-57-1987

営業時間

8:00~19:00 ※要予約

休業日

不定休

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

 

  17:00 伝統文化と料理が楽しめるホテル「ティダムーン」

この日のホテルは、2005年にオープンしたティダムーンです。運営しているのは、奄美大島の伝統工芸品である大島紬(おおしまつむぎ)の卸販売をしている大島紬美術館株式会社。館内には、随所に大島紬の柄がデザインされています。

大島紬とは、世界三大織物のひとつといわれ、親子三代で着れるほど丈夫で軽いのが特徴です。織る前に糸を染める先染めを行い、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を織り合わせることで柄を描きます。江戸時代には薩摩藩の上納品として扱われ、1975年には経済産業省の指定伝統的工芸品に認定されるほど歴史のある織物です。

撮影/福澤昭嘉
撮影/福澤昭嘉

ホテルの2階には大島紬美術館があり、伝統的な柄から、現代的なデザインのものまで。さまざまな大島紬が並びます。着付け体験もでき、袖を通した人は「着物なのにこんなに軽いの?!」と着心地の良さに驚かれることも。ファッションのひとつとしても、芸術品としても楽しめるのが大島紬です。美術館以外にも、エレベーターの扉に大島紬の柄がデザインされていたり、お部屋に大島紬を使ったライトスタンドがあったり、随所にこだわりが感じられます。

「わたしたちが目指しているのは老舗感のあるホテルです。大島紬のように歴史、文化が感じられるホテルになれればと思っています。お部屋の内装もシンプルで、ゆっくりとできたと寛いでいただけるようなデザインにしました」とホテルスタッフの太田善文(おおた よしふみ)さんは話します。

部屋は海・山側で、それぞれ違った自然の魅力が楽しめます。東向きのお部屋は全室オーシャンビュー。水平線から昇る朝日が部屋を照らします。山側の部屋からは、奄美大島の豊かな森を眺めることができます。天然記念物で美しい瑠璃色をした鳥、ルリカケスが姿を現すことも。

背の高い家具がないので、天井が高く広々と感じられます。「親子三代でお越しいただく方もいらっしゃいます。おじいちゃん、おばあちゃんは部屋で海を見ながらゆっくりお過ごしになり、お子さまや若いご夫婦はホテル内のプールで遊んだり、目の前のビーチで散歩したりなどして楽しまれています」

夕食は奄美大島近海で獲れたマグロや島タコを使った海鮮丼や、郷土料理の鶏飯をアレンジした薬膳鶏飯など、「奄美文化を、食で表現する」をテーマに色鮮やかで身体に優しい料理が並びます。鶏飯には喜界島(きかいじま)のゴマや、ウコンなどの薬膳を使用。具は鶏や錦糸卵はもちろん、ほかのお店では入っていることがあまりない島にんじんが使われています。「今までの概念に囚われず、素材の味を大切にして身体に良いものをご提供しています」と太田さんは話します。ティダムーンならではの島の味をお楽しみください。

  7:00 田舎のおばあちゃんの料理みたいな懐かしい朝食

ティダムーンの朝食は、ほかのホテルでは味わえない珍しい朝食です。実は、調理を担当するのはシェフではなく、大島紬を紡ぐ織子さんなのです。島の皆さんが昔から食べているものをアレンジして作られた朝食は、お客さまにも好評です。内容は日によって異なりますが、この日は蘇鉄(そてつ)味噌や奄美大島の発酵飲料ミキが入ったたまご焼きなどの料理が並び、まるで田舎のおばあちゃんの料理を食べているよう!朝からほっこりと心身共に満たされていきます。

なぜ織子さんに調理してもらっているのか。理由を太田さん(写真中央)にお聞きしました。「大島紬は、かつての奄美大島の主要産業で、『いつかは大島紬』といわれるほど憧れの織物でした。しかし今は、着物離れに伴い生産量が減り、職人の数も少なくなってきました。ティダムーンは大島紬を守り伝えるためのホテルです。大島紬に従事している人の生活を守りたい思いから、朝食は織子さんに任せることになりました」。大島紬に関わる人に仕事を与え、技術を守っていくこともティダムーンの役割なのです。

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施設名

ティダムーン

住所

鹿児島県奄美市笠利町平1260

電話番号

0997-63-0006

休業日

無休

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

 

  9:00 金作原原生林はまるで太古のジャングル

奄美大島の魅力は、島とは思えないスケール感の大自然。海や森には、ここにしか生息しない動植物がたくさん存在します。中でも手付かずの自然が残っているのが金作原原生林(きんさくばるげんせいりん)です。

季節や天候によって表情を変える金作原原生林。晴れた空に輝く緑はもちろん、雨がしたたり、霧が立ち込める森もまた美しいもの。春にしか見られない新緑、夏に訪れる渡り鳥の声、過ごしやすくなる秋の空気、雨が多く、太古の森を感じさせる冬と、どの季節に訪れても違った魅力に出会えます。

「奄美大島の自然の魅力は、分かりづらいところだと思います。たとえば屋久島には縄文杉がありますが、奄美にはそういったシンボリックなものがない。受け身で森に入ると何も気付かずに終わりますが、興味を持って歩けばたくさんの発見があります」と観光ネットワーク奄美の水間忠秀(みずま ただひで)さんは話します。歩く距離は片道1kmほど。普通に歩けば片道20分ほどで終わってしまう距離ですが、奄美の自然などの説明を聞きながら歩くと1時間ほどかかります。亜熱帯のジャングルを感じさせるヒカゲヘゴ、奄美大島にしか生息しないランの数々、アカショウビンやサシバなどの渡り鳥。「ガイドに説明してもらわないと、絶対見逃してしまう」と言われるほど多種多様な生き物がいます。

生態系はもちろん、その中で育まれてきた島の文化もおもしろいが奄美大島。「島の暮らしは自然と密接に関係しています。ぜひ島の人と交流を持っていろいろ話を聞いてみてください」と水間さん。案内してくれるガイドに聞いてみると、島の人が自然とどう接してきたのか教えてくれますよ!

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施設名

観光ネットワーク奄美

住所

鹿児島県奄美市名瀬幸町19-5

電話番号

0997-54-4991

営業時間

9:00~18:30

休業日

無休

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

 

  13:00 奄美大島の郷土料理「鶏飯」発祥のお店

金作原原生林を歩いてたっぷり身体を動かしたら、お待ちかねのランチタイム!旅先の文化を知るためには、郷土料理は欠かせません。奄美大島の郷土料理といえば、「鶏飯」。奄美空港から車で10分ほどのところに位置する「みなとや」は、現在の鶏飯の発祥の地といわれています。

もともと薩摩の役人をもてなすための料理だった鶏飯。かつては高級料理で庶民は口にできないものでした。昭和20年、みなとや開業のときに初代館主が現代風にアレンジし、今日に至ります。

女将の池山喜美子(いけやま きみこ)さんにこだわりを聞いてみました。「島で育った鶏だけを使い、真心を込めて作ること。余計な調味料は入れず、鶏と真心だけでスープを作る。これまでもこれからも、そのこだわりだけは譲りません」。黄金色で透き通ったスープを見ると、材料はシンプルでも、時間をかけて丁寧に作られたことが感じられます。おひつに入ったご飯は少し多めかと感じましたが、スープをかけてお茶漬けのよう食べる鶏飯はスルスルと喉を通り、気がつけば空になっていました。とにかくスープがおいしい!コクがあり、残ったスープも飲み干してしまうほどです。

開業以来変わらない、元祖鶏飯の味を守り続けるみなとや。代々受け継がれる真心を味わってみてください。

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施設名

元祖 鶏飯 みなとや

住所

鹿児島県奄美市笠利町外金久81

電話番号

0997-63-0023

営業時間

11:30~ ※材料がなくなり次第終了

休業日

不定休

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

 

  14:30 島の素材を活かしたジェラートでひと休み

おなかいっぱいになったあとは、リフレッシュにジェラートはいかがでしょうか。訪れたのは、地元の人からも観光客からも大人気の「La Fonte(ラフォンテ)」。島の素材を使い、季節に合わせていろんな味が楽しめるので、リピーターが多いお店です。

店の代意を務めるのは、泉久美子(いずみ くみこ)さん。もともと、夫の祐次郎(ゆうじろう)さんがマンゴーやパッションフルーツなどの農園を営んでいました。農園で採れた新鮮な果物や島の素材を使って別のものを作れないかと考え、2011年にお店をオープン。白を基調としたシンプルな店内で、ショーケースには常時、10種類のカラフルなジェラートが並びます。

一番人気はパッションフルーツ。年中提供できるよう収穫していますが、年によっては10カ月ほどで売り切れてしまうこともあるのだとか。ひとくち食べるとパッションフルーツのさわやかな酸味が口の中に広がります。舌の上でとろけるジェラートと、ポリポリとした黒い種の食感がマッチしています。ましゅ(塩)は、塩工房を借り、汲んだ海水を一日中焚いて手作りした塩を使っています。塩をミルクに混ぜていますが、塩辛さはまったくありません。ミルクの甘さが引き立ち、まろやかな味わいになっています。ふたつの味を同時に口の中に入れても、お互いの味を邪魔せず甘味と酸味のハーモニーが楽しめます。

「島を離れた人が帰ってきて一番に食べたいのはお母さんの手料理。二番目に食べたいと思うのがLa Fonteのジェラートだったらうれ嬉しい」。これは泉さんがお店を始めるときに抱いた小さな野望です。

島の人にとっては懐かしく、観光の人にとっては珍しいLa Fonteのジェラート。島の恵みが詰まっていますので、ぜひ味わってみてくださいね。

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施設名

La Fonte

住所

鹿児島県大島郡龍郷町赤尾木1325-3

電話番号

0997-62-3935

営業時間

11:00~5:00

休業日

火曜

HP

https://lafonte-amami.com/

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

 

奄美大島の魅力は海だけではありません。珍しい生き物が生息する森、自然と共に生きてきた人々の文化、太陽の光や雨を浴びた島ならではの食材。知れば知るほど虜になっていき、リピーターになる人が増えている奄美大島。世界からも注目されつつある今だからこそ、訪れてみてはいかがですか。

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地域ナビゲーター

田中 良洋

奄美群島支部 地域ナビゲーター
田中 良洋

兵庫県出身。東京のIT企業で約4年働いた後に独立。結婚式のイベント企画などを仕事にするが、目の病気を患ったことをきっかけに人生を再考。30歳のときに島の暮らしに魅せられて奄美大島に移住しました。
ライターの他にも、ドローン撮影や映像制作、シュノーケリングガイドや予備校のスタッフなど、肩書きにとらわれず幅広く仕事を展開しています。