東京都国分寺市

散策にぴったり!お鷹の道と真姿の池湧水群

2020.11.02

靴職人がオススメする、国分寺市内の気持ちいいスポット

この記事では、日本各地のナビゲーターが、その土地に暮らす人たち(ふるさとLOVERS)からお聞きした「100年先に残したいもの」をご紹介します。
今回登場いただくのは、国分寺市内にアトリエを構える「So Tsuchiya ビスポーク靴店」の靴職人・土屋聡さんです。

縄文時代前から人々が住まい、奈良時代には鎮護国家のために国分寺が建立されるなど、古くからの歴史ある街、東京都国分寺市。都内とはいえ、数多くの遺跡が残るこの街は、駅周辺を除けば歴史的建造物や豊かな自然が今も残り、情緒あふれる土地でもあります。

そんな国分寺市内にアトリエを構える「So Tsuchiya ビスポーク靴店」の靴職人・土屋聡さんは、幼少期から国分寺の街に親しんできました。そんな土屋さんが「100年後まで残したい場所」としておすすめする国分寺のスポットが、湧水群と豊かな自然にあふれる「お鷹の道」です。

土屋さんいわく、「通っていた幼稚園の近くにお鷹の道があり、湧水が流れる水路でザリガニ取りをして遊んでいました。今は道が舗装されてすごくきれいになっているので、散歩が気持ちいいですよ!」とのこと。

さっそく西国分寺駅から徒歩13分のところにある、お鷹の道へ。散策をはじめましょう!

豊かな緑が気持ちいい「お鷹の道」と「真姿の池湧水群」

まずたどり着いたのが、「お鷹の道」の西側にある入り口。日差しが暖かく、絶好のお散歩日和。木々の隙間から光が差し込み、緑がキラキラと輝きます。今回、より深く「お鷹の道」や「おたかの道湧水園」のことを知るため、国分寺市観光協会 事務局の増井有真(ますい あるま)さんに案内していただきました。

国分寺の歴史に詳しい増井さん。「お鷹の道」の由来について「国分寺崖線(こくぶんじがいせん)という地形により、この地には昔から水が湧き出ていました。そして湧水が流れ出る用水路に沿わせる形で道がつくらたのですが、江戸時代、ここ一帯は尾張徳川家が鷹を放って狩猟を行う御鷹場(おたかば)に指定されていたことから、『お鷹の道』という名前が付けられたのです」と教えてくれました。

お鷹の道を歩き続いて向かった場所は、国分寺のパワースポットとしても名高い「真姿弁財天(ますがたべんざいてん)」がある「真姿の池湧水群」。

ここには、病に冒され醜くなってしまった絶世の美女・玉造小町が、武蔵国分寺で願をかけたところ「池で身を清めよ」との霊示を受け快癒し、元の美しい姿に戻ったという伝説が残されています。

透き通る湧水は1年を通して17℃前後と、一定の温度を保っているのだとか。そのため冬はぬるく、夏はひんやりと冷たく感じるそうです。

名水百選に選ばれた、ホタルの住む川

歴史ある「お鷹の道」と「真姿の池湧水群」は、その豊かな水環境が認められ、昭和60年には、当時の環境庁の「全国名水百選」に選ばれたそうです。確かにお鷹の道の水路には、至る所に「名水百選 ホタルの住む川」と書かれた立て札が。生態系を守りながら、蛍や美しい野花などが生き続けられる環境づくりを続けています。

「お鷹の道」にある水路には、少し広げて作られた場所がいくつかあります。ここはかつて「ボンボ」と呼ばれ、野菜や洗濯場などの洗い場として使われていた場所なのだとか。昔を生きた人々の生活の様子がうかがえます。国分寺では農業を営む人も多く、「お鷹の道」を歩いていると、野菜の直売所もいくつか見かけます。お散歩がてら、季節の野菜を手に入れるのもいいかもしれません。

おたかの道湧水園で季節の花を愛で、街の歴史を知る

最後に向かったのは「おたかの道 湧水園」です。この立派な長屋門は「旧本多家住宅長屋門」といい、国分寺村の名主であった本多家の入り口に先代当主の隠居所も兼ねて江戸時代末期に建てられたもの。ここは入園料(100円)がかかるため、長屋門の手前にある「史跡の駅おたカフェ」でチケットを購入し、中へ入りましょう。

長屋門をくぐると、きれいに手入れされた庭園が。さまざまな季節の花が咲き、訪れる人の目を楽しませてくれます。

そのほかにも、園内には湧水を利用してつくられた池のある「湧水源保全地区」や、本多家が利用していた「倉(旧本多家住宅倉)」、武蔵国分寺七重塔を10分の1サイズで再現した「武蔵国分寺七重塔推定復元模型」、そして「武蔵国分寺跡資料館」があります。資料館には、古代武蔵国のころの国分寺の様子や、国分寺市の文化財などを知ることができる資料が数多く展示されていました。

「お鷹の道」「真姿の池湧水群」「おたかの道湧水園」は、豊かな自然に癒やされるだけでなく、歴史を知れば知るほど楽しめるスポットです。駅の再開発によって、駅周辺がますます栄えてきている国分寺ですが、少し疲れた時は喧騒から離れ、お鷹の道まで足を運んでみてください。動植物の息吹きを微かに感じながら、散策することで自分自身に立ち返らせてくれるはずです。

<今回の旅スポット>

おたかの道湧水園
東京都国分寺市西元町1-13-10
9:00~17:00 (入園は16:45まで)
月曜日(月曜が祝日の場合は直後の平日)および年末年始(12/29~1/3)休業
042-323-4103(武蔵国分寺跡資料館)

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

地域ナビゲーター

宇治田 エリ

関東支部 編集・ライター
宇治田 エリ

東京・神奈川在住。アート・デザイン専門のライター。「衣食住はクリエイティビティの基盤となる」という観点から、ライフスタイル分野も手がける。最近はサステナブルな取り組みを行う事業を積極的に取り扱っている。