沖縄県宜野湾市

市民憩いの夕日の名所「トロピカルビーチ」

2022.04.26

この記事では、日本各地のナビゲーターが、その土地に暮らす人たち(ふるさとLOVERS)からお聞きした「100年先に残したいもの」をご紹介しています。今回スポットをご紹介いただいたのは、沖縄県宜野湾市で琉球ガラスなど沖縄伝統工芸品を扱うイペーファクトリー株式会社「BOND okinawa」の塚本信(つかもとまこと)さんです。

都市部に広がるアーバンビーチ

那覇市から車で約15分。宜野湾市にある「トロピカルビーチ」は、アーバンビーチと呼ぶにふさわしい海です。

大型イベントやコンサートなどが開催される「宜野湾コンベンションセンター」に隣接し、周辺には商業ビルやマンション、リゾートホテルが続々と建設。人も車も多く行き交う賑やかな場所にありながら、トロピカルビーチは美しい水を湛え、市民の憩いの場所として親しまれています。

日々の暮らし欠かせないリラックススポット

トロピカルビーチを「100年先に残したいスポット」として紹介してくださったのは、琉球ガラスなど沖縄伝統工芸品を扱うイペーファクトリー株式会社「BOND okinawa」の塚本信(つかもとまこと)さん。ご自宅と会社が宜野湾市にあり、トロピカルビーチは絶好のウォーキングコースだそうです。

「9年連続で出場したNAHAマラソン(すべて完走!)の練習場所でもありました。今は健康のために海沿いを歩いたり、息抜きに夕日を眺めに行ったりしています」。今回の取材時にも、塚本さんのようにウォーキングを楽しんでいる方が多く、ごく自然に人々の暮らしに溶け込んでいることがうかがえました。

人工ビーチで海を見ながらウォーキング

塚本さんのお話にあったように「お散歩しやすい」ということが、トロピカルビーチの大きな魅力の一つ。実はトロピカルビーチは「ぎのわん海浜公園」という海沿いの大きな公園の一部として平成5年にオープンした人工ビーチで、誰もが使いやすいように計画的に作られているのです。

海水浴場がある岸の遊泳区域から、沖の遊泳禁止区域まで伸びる防波堤には遊歩道が敷かれ、およそ1キロのウォーキングコースに。海を見ながらの散歩は心地よく、潮風が吹き抜け気分爽快です。

遊歩道を進むと、防波堤の突端にある東屋に到着。ここからの眺望がまた格別!岸の方を振り返れば、遊泳区域にあるビーチを大きく見渡せます。背景に立つ「コンベンションセンター」の青いとんがり屋根も、このオーシャンビューのいいアクセントになっています。

防波堤の外側を見渡すと、遠くには宜野湾のお隣、北谷(ちゃたん)の町並みが見えます。このような景色が楽しめるのも、都市部にあるビーチならではですね。

防波堤によって美しく保たれた海と砂浜

遊泳区域の方へ戻ってきました。海の方へ目を向ければ、透き通るような波。都市型の人工ビーチとはいえ、透明度の高いことに驚きます。先ほど歩いた防波堤が大きく海を囲っているので漂流物の侵入を防ぐことができ、美しく保たれているそうです。

その防波堤効果は、波の穏やかさにも好影響を及ぼしています。元来、遠浅なことに加え防波堤によって波が遮られるため、一年を通して波が立ちにくく、海水浴などのマリンアクティビティに最適なビーチになるのです。

ビーチを歩いていると、砂がサラサラなことに気付きます。20年以上前にこの砂浜をつくる際、粒子の細かいものを採用したとのことですが、年月を経てもなおこのサラサラ具合。

これにもやはり大きな防波堤が一役買っていて、砂の流出を防いでいるようです。白く、サラサラの砂浜は、ぜひビーチサンダルをはかずに、素足で歩いて体感してみてくださいね。

夏は「トロピでビーパ」が地元ならではの楽しみ!

お散歩したり、海で遊んだりした後の休憩処に事欠かないのも、トロピカルビーチのいいところ。砂浜から一段上がった場所にはずらりとテントが並んでいます。実はこのテントは全て、バーベキュースペース。利用者がいなければ誰でも予約なしで休憩できます。

トロピカルビーチはマリンスポーツや散歩だけでなく、沖縄県民が愛してやまない「ビーチパーティー(沖縄では海辺で開くバーベキュー大会を指す)」のメッカ。「トロピ(トロピカルビーチ)といえばビーパ(ビーチパーティー)」といわれるぐらい、人気スポットです。夏だけでなく通年バーベキューは可能ですが、ほぼ夏場に集中します。ビーチのHPから場所や食材の予約ができるので、ご興味あればぜひ。

こちらの広々とした芝生も、休憩にはおすすめ。東屋やベンチ、売店も備えられているので、ドリンク片手に、海を見ながらのんびり過ごすにはぴったりです。

また子どもたちにとって、海に入れない季節は、こちらがメインの遊び場。休日は元気に走り回ったり、家族でピクニックを楽しんだりする姿が見られます。

トロピカルビーチの真骨頂!必見のサンセット

昼間の穏やかな海沿いを散歩するのも素敵ですが、トロピカルビーチの真骨頂は、サンセットタイムといっても過言ではありません。その時間に合わせて、夏場はもちろん冬場でも、続々と地元の人が集まります。

日没時間は毎日異なりますので、気になる方は国立天文台のサイトなどから調べてくださいね。

太陽が沈んだ直後のトロピカルビーチが、個人的には一番おすすめです。夕日の名残が空をオレンジ色に染め、濃紺の海から静かな波の音が聞こえる黄昏時。夏ならば暑さが一段落したこの頃から、沖縄の人々は元気に町へ繰り出し始めますが、取材時は冬。さすがに帰路に就く人々が多いようで、ビーチを去る姿は、なんとなく名残惜しそうでした。

昼と夜、異なる美しさが魅力

仕事や勉強で疲れた心と体をじんわりと癒し、穏やかにしてくれるような夕暮れのトロピカルビーチ。推薦者の塚本さんも、「夕日を見ながらのウォーキングが最高のストレス解消」とのこと、この景色を見れば納得です。

ただ明るくキラキラ輝くだけじゃない、南国の海の一面を見た気がしました。そしてこの昼と夜の異なる魅力こそ、地域で愛される所以なのかもしれません。

施設情報はこちら

施設名
ぎのわんトロピカルビーチ

住所
沖縄県宜野湾市真志喜4丁目2番1号

電話番号
098-891-0881

営業時間
9:00~21:30(22:00閉門)
※遊泳期間4月下旬~10月末

休業日
無休

※施設に属する情報に関しましては、予告なく変更となる可能性がございます。ご訪問の際は各施設のホームページ等で最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

地域ナビゲーター

仲濱 淳

沖縄支部 地域ナビゲーター
仲濱 淳

生まれも育ちも埼玉県。東京でテレビ制作会社や出版・イベント会社へ勤務するかたわら、海ナシ県で育ったせいか海への憧れが異常に強く沖縄病に罹患。沖縄の観光系企業への転職を機に13年前に移住し、Webマガジン、情報誌の編集を経て、フリーランスに。うちなーんちゅの夫と娘とともに、海がかろうじて見える那覇に住んでいます。